医師がオススメする特別な花粉症対策ってありますか?
国民病ともいわれる花粉症
日本人のスギ花粉症の有病率は約39%にのぼり、
花粉症による生産性の低下は1日当たり2,215億円の
経済損失を招くとの試算もあります。
今回は一般社団法人正しい医療知識を広める会に所属する医師3名に集まっていただき、
「医師がおすすめする特別な花粉症対策」というテーマで座談会を開きました。
・花粉症をなんとかしたい
・市販薬でごまかしているけど、根本的に治るなら治療を受けてみたい
・結局、どの科を受診すればいいの?
そんな花粉症のお悩みをお持ちの方に向けて、現場のリアルな治療の情報や、
医師に直接聞きづらいことなどを語っていただきました。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
【参加医師】
医師10年目の呼吸器内科医。関東の250床規模の総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医として勤務中。呼吸器症状を有する患者さんを主に診ており、外来では花粉症診療に関わる機会もあり、自身も軽度の花粉症持ち。
卒後約15年目の感染症専門医。関東の都市部の急性期総合病院に感染症専門医として勤務中。外勤先として勤務しているクリニックで、主に花粉症の診療にあたる。自身はアレルギー体質で、通年生のアレルギーがあり、ビラノアやアレジオンLX点眼を使用。
卒後15年目の腎臓内科専門医。勤務先の病院に耳鼻科はないものの、かかりつけの患者が花粉症のため薬の処方を求められることも多い。
自身は花粉症とハウスダストなどのアレルギーがあり、通年で鼻詰まり。
鼻咽喉科学会専門医・指導医。
耳科学会認定医。
大学医局に所属し、現在は総合病院に勤務している。耳科・聴覚が専門。
米国でポスドクとして先天性難聴の研究に携わる。
テーマ①『医療の現場における花粉症治療の最前線』
➖まず初めに、先生方の病院ではどのように花粉症を診療していますか?
花粉症の薬といっても色々な種類があると思います。病院で処方する内服薬について解説をお願いします。
私は、耳鼻科がないので内科として診療しております。一定の患者さんは、これまでも相性のよいお薬がありますので、基本的にはそういった方には御希望の薬を処方しています。
受診時初めてという方には、ビラノアをメインに処方しています。点眼希望者にはアレジオンLX(コンタクトでも使用可能なので)、点鼻希望者にはアラミストを処方することが多いです。
また、これまでアレルギー検査を検査されたことがない方にはMAST(賛否両論ありますが)もおこなって、舌下免疫療法も検討するようにしています。
薬物以外の対策としては、こまめな手洗いや目の洗浄などを推奨するようにしています。
この診療方針が間違っていないのか、不安なところでもあります・・・
主に内科で花粉症診療をされ、ビラノアをメインに処方し、症状によって点眼や点鼻ステロイド薬を用いられているのですね。処方に関しては是非また後ほど伺います。
治療方針も様々な選択肢があり、難しいですよね。
先生は耳鼻科がないことで何か診療面で困ったことなどはありましたでしょうか?
また、アレルギー検査は総IgE値の測定、特異的IgE値(MAST)どこまで出していますでしょうか?
医学的には粘膜焼灼術ができないので希望される方がいらっしゃる場合には困りますが、内科の看板ということを理解して受診されておられるので、希望者もおらず、正直こまっておりません。
難治性の場合、耳鼻科の専門医であれば、どのような診療を提供されるのかが気になることはあります
アレルギー検査については、クリニックの方針もあり、SRLのMASTを使用しているので、総IgE値と、それぞれの項目のクラスまで出しています。
他の先生方は、どのようなアレルギー検査を出されているのかも気になります。
私も1剤だけなら、ビラノアを出すことが多いですが、空腹時内服を忘れられがちなので、他の定時薬がある方にはロラタジンを出すことが多いです。
うちも耳鼻科はないですが、一部の同僚の先生は舌下療法できるのでお願いしようと思えばできます。
ただ、そこまで重い方はうち(内科)には来ないですね。数ヶ月、抗ヒスタミン剤内服、アラミスト点鼻をしているうちに「今回は花粉症の薬いりません」となります。
ただ、こちらが提案していないから患者さんも要求してこないだけという可能性もあり、舌下療法、粘膜焼灼術についても情報の提示はするべきなのかな、と思うことはあります。
私自身も幼少期のアレルギー反応がひどく、漠然と抗ヒスタミン剤ではなく、何かしらやっていたら人生変わっていたかも?と思うことがあります。
私も、アレルギー検査としては総IgEとMAST36を出しています。
玲奈さん自身のお話も含め、患者さんが治療の選択肢を知らず、効果的な治療を受ける機会損失している可能性もあると。
この点は重要ですね。
私の病院は先生方とは異なり耳鼻科があります。そして実際花粉症については特段内科か耳鼻科か区別されておらずどちらも診ている現状です。
私の呼吸器外来では、気管支喘息のコントロールで通院される方も多く、花粉症の悪化で喘息も不安定になることがあるため併せて治療をしていることもありますね。
重症で本当に困る場合は耳鼻科に相談できますが、あまり多くはないです。
耳鼻科も内科もあるのであれば、比較的規模も大きな病院ですかね?
耳鼻科と内科で診療方針が異なったりするものでしょうか?それとも、病院全体として概ねの診療方針は決まっているのですか?
規模は250床ほどの中規模です。
私が悩む点としては、まさに診療方針についてです。
花粉症のガイドライン上、症状と鼻粘膜所見があれば花粉症と診断可能、そうでない場合はアレルギー検査や皮膚テストなどを行い、診断をつけるとされています。
初診で花粉症の疑いで来た方に対して、耳鼻科医はすぐに鼻腔内を確認し花粉症で間違いないか判断できますが、内科ではそれは困難です。
そのため、アレルギー検査を提出して診断が異ならないか確認するようにしています。
かといって毎回全て耳鼻科に相談は出来ないので、悩ましいです。
内科診療では、花粉症の症状ではじめて受診される際には、アレルギー検査を提案しつつ治療を開始し、経過や検査結果をみながら他の病気の可能性がないか?花粉症としてあっているかを確認するという流れは先生方の見解として異ならないようですね。
➖先生方がおすすめする抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)は?
Lemon@感染症先生はビラノアを、
玲奈@透析訪問療養先生はロラタジンを処方されることが多いようですね。
私はデスロラタジン(デザレックスレッスン)が比較的多いです。
選択の理由としては、眠くなりにくく、空腹時や食後いつでも内服が可能で1日1回でOKなため、患者さんにとって負担や飲み忘れも少ないかと考えるためです。
先生方がおすすめされる理由や、選択の際に重視していることなど、是非教えてください。
一回内服で済むのは大きいですね。
患者さんの飲む薬が抗ヒスタミン剤1剤だけなら私もビラノアにしています。
ロラタジンをよく出すのは薬価が安く、OD剤もあるからです。
点鼻は個人的な好みかもしれません。アラミストが一番しみない感じがしています。
やっぱり、効果の高さと眠気の少なさを重視しています。あとは経験が大きいですね。ビラノアは空腹がデメリットですよね。効果は、ビラノアとデザレックスだと、どちらが強いのでしょうか?
もしもデザレックスの方が効果が高いなら、ビラノアよりもデザレックスを第1選択薬にしてもよいかなと思うようになりました!
薬剤の強さランキングなんてのもありますが、正直あてにならない気がしています。
患者さんごとに効果の感じやすい薬が異なったりもしますし…
正直製薬会社からの説明を受ける機会もありますが、それぞれ各社のバイアスもあるため評価は難しいですね。そして直接比較で優劣をつけた試験もなかなかみない印象です。
Lemon@感染症先生がおっしゃるように、ビラノアはちゃんと空腹のタイミングで服用できているかも大事ですね!
内服スタイルや、患者さんの治療を受ける姿勢を確認するのは必要ですね。
個人差はありますね。アレグラ、ザイザル、アレロックでも大丈夫なかたもいらっしゃいますし。
ビラノアで効果乏しいときは、キプレスを併用したり、抗ヒスタミン薬をそれこそデザレックスやルパフィンに変更したりしていますが、他の先生方はどのようにされていますか?
まずは内服薬という焦点を置いてみましょうか。
私は抗ヒスタミン薬で効果が乏しい場合は、キプレスなどロイコトリエン受容体拮抗薬を加えることを優先しています。また、患者さんから変更希望などあれば、抗ヒスタミン剤を変更します!
私も同じで、まずはロイコトリエン拮抗薬を追加して、だめなら抗ヒスタミン薬の変更ですね。先生は、抗ヒスタミン薬を変更する際、何に変更されることが多いですか?
抗ヒスタミン薬の変更についてですね。
抗ヒスタミン薬の中でも、化学式の骨格で、
「三環系」デザレックス、クラリチン、ルパフィンなど
「ピペリジン」アレグラ、ビラノア、タリオンなど
「ピペラジン」ザイザル、ジルテックなど
に分けられます。
抗ヒスタミン薬の効果を感じられず変更する場合は、同じ骨格よりも他の骨格の抗ヒスタミン剤にすることで効果が期待できないかという思いから変更するようにしています。
例えばデザレックスからの変更であれば、ザイザルや、アレグラ、ビラノアなどを考えています。
たしかに、化学式の骨格の違いで考えると説明も伝わりやすくなりますね。
はい!その上で変更しても効果がない場合には、抗ヒスタミン薬でのコントロールは難しいため、追加治療が望ましい、と患者さんに説明しますね。
私もだめならロイコトリエン拮抗薬併用ですね。自分も飲んでいます。鼻づまりの方には特によいですね。
ディレグラ配合錠は長期で使いたくないので出したことはありません。
眠くなっても良ければ、ロラタジン→ビラノア→アレロック→ポララミンまたはアタラックスPですかね。
ポララミン、アタラックスPまで行くとかなり強烈ですね、効果も眠気も。
また、私は黄砂の時期に特にアレルギー症状が酷くて、耳の奥から痒くなったり耳垂れが出たりもするので、あまりに酷いときはちょいちょい使っています。
ステロイド点耳も手放せないですが。
ただ花粉症の鼻炎ならそこまで強い抗ヒスタミン剤にいかず、他の治療をすべきでしょうね。
ポララミンなどの第1世代抗ヒスタミン薬は、くしゃみや鼻漏には効果があるものの鼻づまりには効果が乏しいともと言われていますね。
特例のような場合を除いて、ほとんど出す機会はないです…。
玲奈@透析訪問療養先生は透析患者さんの診療もされているように思います。
腎機能の悪い方や透析患者さんに抗ヒスタミン薬を処方する際の選択において、何か異なる点などはありますか?
ザイザルは腎機能に応じた容量調整が必要で、透析性がないので透析患者禁忌です。
自分が出してもらう分にはいいですが、患者さんにはちょっと出しにくいです。
かゆみと滝のような鼻水、くしゃみにはよく効きますが、死んだように眠ってもいい日でないと厳しいですね。
これは非常に重要ですね。先生も眠気の副作用についておっしゃられていますが、抗ヒスタミン薬を処方する際には、日常生活で運転の有無は必ず確認をしないといけないですね。
患者さんにも、この点の申告は必ずお願いしたいところです。
私はステロイドが含まれているので出さないようにしていますが、セレスタミンを飲んでいる患者さんも時々いらっしゃいますよね。
多分、飲んでいる患者さんは、ステロイドのことをあまり意識していないと思うのですが。
セレスタミンは私も出すことはないです…。
漫然と処方されて飲んでいる患者さんに出会うことは滅多にないですが、もし漫然と飲まれていた場合は、中止の際もいきなり切ることが難しいので困りますね。
セレスタミン怖いですよね。ほんと困ります。
正しく使うために、処方の際にはあらかじめ患者さんにも、あまり長期にわたる服用にならないよう説明が必要ですね。
➖妊娠中の方が花粉症の相談で来院されることもあります。
実際に妊娠中の方を診る機会はありますか?
その場合の抗ヒスタミン薬の処方はどうされていますか?
妊娠中でも比較的安全に使えることもあって、ロラタジンをファーストチョイスにしています。
私も妊娠中の方には、ロラタジンを使用します。
抗ヒスタミン薬でも妊娠中に安全に使用できるとされる薬剤は限られます。
確かにロラタジンであれば、女性は妊娠に至っても変更することなく使えるのは利点ですね!
妊娠初期はロラタジンでも避けたいですが、若い女性には「万が一」を常に考えますよね。私は長らく腎炎を見ていたので、余計神経質になってしまいます。
ちなみに、妊娠中の方にロラタジン以外にも使用できる薬剤はありますが、あまりに悪阻が強くて「眠気はあってもいいから花粉症とつわりをどうにかして欲しい!」という場合には、ポララミンは悪阻に対しても使用されるので併せて使うことがあります。
私もロラタジンですね。あとはアレグラなどですかね。
そうですね、妊娠初期はより安全に使用できる局所療法(点鼻薬など)を優先したいです。
@Lemon@感染症 先生のおっしゃるアレグラも比較的安全に使用できる薬剤ですね。ありがとうございます!
抗ヒスタミン薬について1点教えてください。
ごくまれに、症状が強いので2剤の抗ヒスタミン薬を希望される方がいますが、基本的に保険が通らない可能性があります。希望が強い場合、トラブルを避けるためにも処方はしますが、もしも保険が切られてしまった場合は、その後は処方できませんと説明しています。
先生方が、2剤の抗ヒスタミン薬を希望される患者さんについて、どのように対応されているか、教えて頂けますと幸いです。
私は2剤の抗ヒスタミン薬を希望された場面がなかったので、出していないという回答になります…
慢性蕁麻疹に対して、効果がない場合には2種類併用ができるようなので、保険病名としてはこちらになるのでしょうか。
私は患者さんに希望されたら出しています。
点鼻はアラミストかナゾネックス、点眼はアレジオンかザジテンが多いです。
花粉症で2剤は出したことなかったですね。第一世代と第二世代の抗ヒスタミン剤を合わせて出す感じですか?
ロラタジンで弱いと言われたら、眠くて大丈夫か確認してアレロックに変えますが、2剤にはしていませんでした。
こだわりが強い方で、ザイザル+ビラノアとか、ザイザル+アレジオンとか、世代関係なく2剤希望される方がいらっしゃるんですよね。
個人的にではありますが、例えば化学式の骨格が違うもの2種類とかに修正や提案したくなりそうです。
また、慢性蕁麻疹に関してになりますが、国際ガイドラインでは他剤追加よりも単剤の増量が推奨されています。
どのような経緯で2剤を飲まれているかによりますが、もし本人が意図をわからず飲まれていた場合には、コミュニケーションを取りながら標準治療への修正に導くことも私達の勤めなのかもしれないですね。
正論としてはそうなんですが、1時間で10人くらい診療するのがノルマの中での対応になるので、なかなか時間をとって腹を据えて話ができず、そのまま流しちゃうことが多いんですよね・・だめだとわかっています!
とても仰る事に共感します。外来の限られた時間の中、大人数をこなさなきゃならず問診も限られてしまうのも事実ですね。
なかなか難しい問題です。
共感頂いてありがとうございます。1人30分くらいかけられるなら、ゆっくり説明できるんですけどね。
療薬の選択について、耳鼻咽喉科の医師としての見解をシェアしますね。
まず、抗ヒスタミン薬ですが、基本的にみんな欲しがります。ですので、眠気の少ない薬から処方し、それでも眠気があるなら薬の構造を意識してスライドします。咽頭や皮膚のかゆみが出る人には処方は必須と考えます。
次に、点鼻ステロイド薬ですが、鼻症状に対しての効果は間違いないです。目にも鼻づまりにも効きますし。ただし、なぜかステロイドということで嫌がる方も多い印象です。
抗ロイコトリエン薬については、咳が出る人によく処方します。鼻づまりに効くと聞きますが、私の印象としてはそこまで効いたと思ったことはないです。
内服ステロイド薬は既往症がない人に対して、どうしても症状がつらいときに使う用として出します。具体的にはプレドニン5mgかリンデロン0.5mgのどちらかです。
「花粉症治療薬の使い分け」まとめ
- 最高の薬!と断定するものはない
- 患者さんに合った、正しく服用出来るもの(食前内服の薬などに注意)を選ぶ
- ロラタジンなど薬価の安い薬はありがたい
- 効果がなければ、(骨格の違う)別の抗ヒスタミン薬に変更するのも手だが、ロイコトリエン受容体拮抗薬の追加など治療強化が良い
- 腎機能の悪い方はザイザルなど使用できない薬に注意する
- ロラタジンなど妊娠に至っても変更を要さない薬は使いやすい(悪阻が強いならポララミンという選択肢も)ただ、妊娠初期は点鼻薬を特に優先したい
テーマ②『点鼻薬や点眼薬はどのタイミングで何を使って欲しい?』
➖患者さんの中には「この点鼻薬が欲しい!点眼薬も欲しい!」とあらかじめ希望される方や、「点鼻薬は怖いのでいらないです」という方もいらっしゃいます。
先生の点鼻薬や点眼薬を処方するタイミングなど、先生のお考えや、もしおすすめの点鼻薬・点眼薬などあればご意見を伺いたいです。
「鼻汁」や「くしゃみ」の症状があれば、ステロイド点鼻薬をはじめから使うことをすすめています。効果もあり、安全に使える薬剤なのが利点です。
「鼻に刺激がありそうで怖い、以前使った時にツンとした感じがダメだった」などの声を頂きますが、個人的にアラミスト点鼻薬は比較的吸入する際の刺激が少ない印象があります。
また妊婦さんの場合、ステロイド点鼻薬は最も安全に使用できるためマストと考えています。抗ヒスタミン薬を使わずにコントロール出来るかもしれないです。
点眼薬については、鼻がメインで目のかゆみはごくわずかであれば処方しないこともあります。点鼻薬が目のかゆみ軽減効果も発揮することを期待します。目の症状が強ければ抗ヒスタミン点眼薬を出します。
いくつか薬はありますが、使用感に差を感じないのでどれでも良い気がしています。副作用も少なく、すでに抗ヒスタミン薬を飲んでいる方も多いので受け入れやすいです。
ステロイド点眼薬は、副作用が懸念されることから私は処方しておらず、処方希望される場合は眼科に受診依頼をすることが多いです。
点眼、点鼻ともに症状が強いときに選択しています。
点眼では、コンタクトでも使用できるかと聞かれることが多いので、コンタクトでも使えて効果も高いアレジオンLXを選択しています。
時折、症状が強いときのためにフルメトロンを希望される方もいらっしゃいます。本来は眼圧測定してからのしようが望ましいですが、クリニックに眼科がありませんので、やむを得ず注意事項を説明して処方しています。
点鼻に関しては、私もアラミストが第1選択薬になりますね。1日1回ですむかどうか、がポイントになるかなと考えています。
コンタクトをつける方は多いですし、コンタクトでも使用できるのはおすすめしやすいですね!
眼科が近くにない場合のフルメトロンを処方する場合は、やはり注意事項の説明は重要ですね。ありがとうございます。
点鼻は先生もアラミストをよく使用されると。
どの薬においても使用回数が少ない方が服薬の指示を守ってもらいやすくなりますね!
アラミストは差し心地が優しいですね。ナゾネックスの方が効く!という患者さんがいるのでその場合はナゾネックスを出します。
アレジオンは一回で長く効くので汎用しますが、むしろ複数回差したいという方にはザジテンを出しています。
差し心地からはアラミスト、点眼は1回で済むか複数回差したいかのニーズに合わせているのですね、ありがとうございます。
点鼻薬についてもうひとつ質問します。
鼻づまりが強い場合に血管収縮剤の点鼻薬という方法もあります。実際にこちらを受診時に希望される方もいます。先生方は血管収縮作剤の点鼻薬処方の位置付けなど、どうされていますか?
フルナーゼとかですよね?以前、自分自身が使用していた時期もありましたが、当時耳鼻科や、アレルギーの専門の先生から、一時的な効果はあるけれども、その後の反動(副作用?)が強いから、あまりおすすめしないと言われてから、自分は処方しないようにしていますね。
点鼻を希望の方はいますが、血管収縮剤の指定をされたことはありませんでした。出したことないです。内服はディレグラ配合錠がありますね。
ちなみに私は子供の頃処方されていました。
子どもの頃から!
ただ、患者さんから強くフルナーゼを希望されたら、トラブル回避や診療時間の短縮も兼ねて処方するとは思います。
花粉症に限らず希望された薬を処方していると、薬局と変わらないなと感じることも多々ありますけどね。なので、市販薬にもっと移行して良いんじゃないかなと思いもします。
そうです、フルナーゼなどです!
血管の粘膜を収縮させることで一時的な鼻づまりに対する効果はありますが、あまり頻用しすぎるとかえって粘膜が炎症を起こして鼻づまりが悪化してしまいます。
私もあまり処方はしないです。もしどうしても使用したい場合は、ステロイド点鼻薬との併用を前提にしています。
これだけの国民病なので、市販薬もっと進むといいですね!
ただフルナーゼなどの副作用があるものはなかなか移行も難しいでしょうけど。
医師の働き方改革や人口問題で、おそらく医療アクセスはこれから悪くなるので、こういった市販薬は必要だと思いますね。
血管収縮剤、使った瞬間の効果は高いのですね。
私は使用歴がないので、大変貴重なご意見です!ありがとうございます。
「点鼻薬や点眼薬はどのタイミングで何を使って欲しい?」のテーマまとめ
- 点鼻薬はアラミストは差し心地がよくおすすめ。1日1回ですむものは毎日継続しやすい。
- 点眼薬はコンタクトを装着しても使えるアレジオンLXなどは使いやすくおすすめ。フルメトロンのようなステロイド点眼薬には副作用があり、眼科にかかってからの処方をもらう方が良い。
- 血管収縮剤の点鼻薬は、鼻づまりへの瞬間の効果は非常に高いが、乱用すると副作用でかえって鼻づまりが悪化するので、指導が必要。安易な処方はしにくい。
テーマ③『抗ヒスタミン薬や点鼻点眼薬でもダメ!治らない重症花粉症に対してどう治療提案する?』
➖今までの治療をやっても効果のない、重症花粉症に対する次の治療についてです。
手術治療、オマリズマブ、また舌下免疫療法(減感作療法)などありますが、まずは先生方のおすすめの治療など、ご意見を伺いたいと思います。
まずはやりやすいところでは、舌下免疫療法になりますが、効果が出るまでに時間がかかるのがデメリットになりますね。
一部の方は、オマリズマブを希望されますが、私が勤務しているクリニックでは使用しない方針になっていますので、その場合は他の医療機関受診を推奨しています。
花粉症に対するオマリズマブや点滴治療って、どの医療機関でも使用できましたっけ?
あと舌下免疫療法は、スギとダニしか今のところ日本では適応がなく、スギは花粉のシーズン外でなければできない点もデメリットになりますね。
舌下療法は今シーズンすぐにという訳にいかない点がネックですが、良い治療法ですよね。
舌下免疫療法のダニアレルギーに対する有効率は70%前後、スギ花粉アレルギーには70~80%と言われていますので、効果が乏しい人もいる事は説明してはじめて頂いています。
オマリズマブは私も興味がありつつ、自施設では投与経験がありません。
ありがとうございます。
舌下免疫療法を勧め、またオマリズマブについては他院へ紹介をしながら案内をしていらっしゃると。
私も、舌下免疫療法は当院耳鼻科でおこなっており、重症の方には特にすすめております。
やはり花粉症はアレルギー疾患なので、(抗原)回避や減感作が大事と思っています。
舌下免疫によって減感作することで一時的な根治に近いコントロールが目指せるのは大きいです。
おっしゃる通り、舌下免疫療法はスギとダニのみの適応で、他にもヒノキやブタクサにも強く反応する方、コントロールの悪い喘息がある方には治療が出来ないことは注意点ですね。またスギのシーズンじゃない時に治療をすることも認知が必要ですね。
それと、オマリズマブについて、私は使用経験がありますので少し触れますね!
重症花粉症に対してではありませんが、呼吸器内科医のため、「難治性気管支喘息」の方に対してオマリズマブの治療をよくおこなっており、この観点からのお話になります。
気管支喘息の方には花粉症を併発している方も一定数おり、外来でも一緒に花粉症もみております。
今まで毎年花粉症が辛く、今までの治療をしても症状も悪化する場合、喘息のコントロールも悪くなるという悩みがあった方が、実際に喘息に対してオマリズマブを導入したところ花粉症の症状も緩和されたという経過がみられます。
喘息に対しては、昔の記憶だと月に一回程度の投与が必要だったと思うのですが、花粉症に対しても月に一回くらい必要なんですかね?
12歳以上で、
・体重が20-150kgの範囲
・総IgEが30-1500IU/mlの範囲である
ことが必要です!
投与感覚は投与換算表に沿って用います。2週または4週ごとで、気管支喘息と変わりはないですね。
気管支喘息の治療をしながら一緒に花粉症も改善するという点はありがたい一面です。
気管支喘息がなくても、花粉症のガイドライン上でも使用水準を満たせばオマリズマブは推奨度Aとなっております。
デメリットは、完全にコスト(薬価)です。例えシーズン中だけ使うにしても、非常に高い薬であり、あらかじめお話することが必要で、やはりコスト面から治療を断られる方も多いです。これは喘息においても同じです。
ちなみに、喘息に対しては、オマリブマブ以外の抗IgE抗体療法がたくさん出てきていますが、それらも花粉症に対しても適応あるんですか?
おそらく現時点では、花粉症に対してはオマリズマブのみだと思います!
ありがとうございます。
適応を選んで使えるようにしたいのですが、薬価がネックとなりそうなので、適切に説明して希望があれば他施設に紹介したいと思います!
では、ここで先生方に質問です。
もしオマリズマブと減感作療法がどちらも施設内でできる場合、どちらをより優先しておすすめしますか?
どちらも自施設でできるなら、今シーズンすぐに良くしたい方ならオマリズマブ、待てそうなら減感作療法でしょうか。
受験シーズンとかだと待てないでしょうし。
今シーズン使用したい場合はオマリズマブ、来シーズンでもオーケーなら減感作ですかね。
あとは、点滴になると看護師さんや動線の整理も必要になりますので、そのあたりをスタッフで検討してからと思いました!
舌下免疫療法についてですが、花粉症で毎年悩んでいる人で、最重症の気管支喘息もしくは妊娠中でなければ基本的に全員おすすめできる治療法です。
花粉症の症状すべてに対し効果が期待できます。ただし効果が発揮できるまで半年〜1年くらいかかるので気長な治療にはなります。
1日1錠が3割負担で60−70円くらいなので、高くはないかな?
スギ・ハウスダストへの舌下免疫療法があり、特に小児ではハウスダストの舌下免疫療法によって気管支喘息発症や発作を抑制できるかも、という報告があります。
注意として、気管支喘息発作やアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。
副作用として局所症状は4割くらいとやや頻度は高いですが、アナフィラキシーがほぼないので、皮下注射より圧倒的に使いやすいですね。
舌下免疫療法の治療期間について補足すると、3−5年継続と言われているのは、
「3−5年継続して行った場合、その後一旦舌下免疫療法を中止して数年の長期経過を経ても症状軽快状態を維持できた」
というデータがあるからです。
3−5年にわたって治療を続けるのはなかなか根気が必要ではありますが、治療を望まれる方は生活の中で習慣として取り入れていただければと思います。
あと、皮下注射のゾレア(※記事ではオマリズマブに名称統一?)は非常に効果が高い印象です。ただし、繰り返し打つ必要があるのと、何より値段が高いです。
また、IgE値で量を決める必要があったり、症状が最重症であることを確認したり、既存の治療薬が効かないことを確認する必要があったり、実際に使うまでの手間はかかります。
ですが、そのデメリットを差し引いても効果は高いので、通常の薬で症状をコントロールできない患者さんに対しては有効な選択肢と言えるのではないでしょうか。
先生方ありがとうございます!
私も、今後を考えるとやはり減感作療法を推奨したいです。しかしこれはスギ花粉が飛散していないオフシーズンにやることが前提のため、今シーズンどうにかしたいという場合はオマリズマブを進めることになると思います!
焼灼術も含めて、患者さんとしてはどれがいいのでしょうね。
焼灼って結構、心理的ハードルが高い気がします。私も正直ちょっと怖いです。
そうですね、皆さま手術療法についてはいかがお考えでしょうか。
焼灼術は身近な先生が受けましたが改善しなかったので、ちょっと自分は抵抗ありますね。せっかく手術したのに。
ベースの通年性アレルギーなどの影響もあるかもしれませんが。
内科医としては、手術療法の提案については耳鼻科受診を案内し、効果が期待できそうか含めて診察を受けるが良いのかと思っています。
・鼻粘膜変性手術(レーザー焼灼術)
・鼻腔形態改善術
・鼻漏改善術
と3つの種類があり、最もよく行われるのは1番上のレーザー焼灼術のようです。
効果が期待できる点もありますが、鼻腔が湾曲していたりすると効果が不十分になりやすいようです。その場合に他の選択肢とするか否かは耳鼻科医の判断を仰ぎたいです。
はい、耳鼻科医として手術についてお話させていただきます。
手術全体として、即時的な効果が期待できることと、物理的に狭くなった状態は手術以外ではなかなか改善が難しく、最終的に手術になることが多いです。
まずレーザー焼灼術、これは下鼻甲介焼灼とも言いますが、レーザーや薬剤で下鼻甲介の表面を焼灼することで、アレルゲンに対する反応を抑える治療法です。局所麻酔で、日帰りでできるので、クリニックでもできるのがメリットですね。
鼻汁を軽減し、鼻づまりも良くなることもあります。効果は1年位で切れるので再手術が必要と言われていましたが、経過を最長7年追った論文で7年効果が持続した報告がありましたので、毎年の手術は必要なさそうに思います。
花粉が飛散し始めてしまうとあまり効かないので、希望があれば11−12月くらいに受けましょう。
また、全身麻酔での手術を行うこともあります。
まずは鼻詰まりに対し、鼻の形態を変える鼻中隔矯正術・下鼻甲介切除術といった手術です。鼻づまりは薬剤の効果が望みにくく、手術が必要になることが多いです。
全身麻酔が必要になりますが、いずれの手術でも軟骨や骨を物理的に取り除くので必ず鼻の通りが良くなります。鼻づまりで苦しんでいる方には非常におすすめです。
また、鼻水を改善する手術で後鼻神経切断術という手術があります。下鼻甲介粘膜下で、分泌神経である後鼻神経を切断することで、鼻水の分泌を抑制する手術です。
完全に止まるわけではないですが、鼻水が劇的に減ります。ただし、逆に乾きすぎてしまうことも。
前提として、全身麻酔が必要になる手術は、他の治療法で改善しない人に対して行うことになります。
個人的には手術治療の前に、舌下免疫療法の良い適応の方であればオフシーズンに行い、改善に期待する。そしてまだオンシーズンに症状があれば、オマリズマブの提案。
これらの治療が理由により出来ない場合や行ってもまだ症状が残るなどの場合には、耳鼻科医への手術相談をする流れを考えます。
もし患者さんからの手術希望が強くあれば、その段階で行うに適した選択か含め耳鼻科へご紹介すると思います。
わかりやすくありがとうございます。
大変参考になります。
耳鼻科で手術療法をお願いできる医療機関を近隣で提示できると良いですね。
花粉症に関しては内服、点鼻薬などで効果が十分でなくても「こんなものだ」と思ってしまっている方も多くいらっしゃるとおもうので、その他の選択肢を適宜提示したいと思います。
特にクリニックで花粉症の診療をしていますと、外部の総合病院の耳鼻科へ手術のために相談するのはハードルが高いんですよね。
もともと連携している総合病院の耳鼻科であればよいのですが、近隣の総合病院の耳鼻科がそもそも花粉症に対する外科手術をされているかどうかも分からないので。
そうですね、近隣医療機関のスタンスがわかっていると紹介もしやすいですね。
総合病院で診療を行っていて、院内に耳鼻科に紹介するのは比較的ハードルが低いんですけどね。
あらかじめ近隣耳鼻科との連携面がより確立されるとスムーズに案内出来ますね。その面、総合病院耳鼻科への紹介のハードルも高いという点も。
この辺りは課題として残りそうですね。事前に連携機関を介してなど簡単に把握出来ると良いですけど。
確かに、花粉症に関しては内服、点鼻薬などで効果が十分でなくても「こんなものだ」と思ってしまっている方も多そうですので、まだある治療法についてこちらも提案し、治療の機会を逃すことのないようにすることは大事ですね。
「抗ヒスタミン薬や点鼻点眼薬でもダメ!
治らない重症花粉症に対してどう治療提案する?」のテーマまとめ
- スギの飛散時期でないオフシーズンに減感作療法(舌下免疫療法)を勧める。
- シーズン中の強い症状に対して、オマリズマブの治療効果が高く勧める。薬価はかかることは念頭に入れる必要がある。
- 手術療法は効果が期待できるか耳鼻科医への診察を含めた紹介を行い、最終的な判断を頂く。院内で完結できない場合には紹介におけるハードル面の課題がある。手術以外で改善が期待できる選択肢があるのであれば、先に述べた2つの方法を優先することも考える。
- 内服や点鼻薬や点眼薬で十分コントロールされず諦めてしまう方も多くいらっしゃるが、さらなる治療法があることを知っていただき、治療の機会に繋がってほしい。
テーマ④『先生がおすすめする花粉症への対策は?』
➖ドラッグストアや医療機関の処方で受ける花粉症治療のほか、「花粉症のシーズンを少しでも楽に乗り越えるためにも、これは行うべき対策!」など、早速先生方のご意見を伺いたいと思います。
こまめな手洗いや洗眼を指導しています!やっぱり物理的な抗原回避が大切だと思いますので。
あとは、花粉症の症状で咳や咽頭痛の方が一定数いらっしゃいますが、そういった方で喫煙していたら、禁煙すすめますね。喫煙は何においても辞めたほうがよいですが。
手洗いや洗顔のような物理的な抗原回避は大事ですね。マスク着用、屋内に入る時にアウターを払うとかも抗原回避として提案しております。
喫煙においてはそうですね。禁煙は花粉症の有無に限らず推奨となりますが、喫煙自体が更なる咳や痰がらみの症状悪化にもつながりますね。
マスクはマストですね!
着る服も結構大事ですよね。
意外とシャカシャカした素材より、綿製品が一番花粉をくっつけにくいそうですね。
私は家に入る前に玄関で上着にブラシをかけて、かつ上着をなるべく居住場所から離れたところに置いています。あと、マスクは帰宅次第ゴミ箱にポイです。
また、自分の対策もそうですが、子供用の薬も常に持ち歩いています。鼻がつまると集中力が損なわれますので。市販薬だとアレグラ等で7歳からが最も小さい子向けですかね?
それより小さい子供向けの市販薬はシロップ剤が多い印象で持ち歩きにくいのが難点です。
子供用の処方薬ではロラタジンを出してもらっています。3歳から使えて、甘く飲ませやすいドライシロップで、持ち運びやすいです。花粉症の時期は化粧ポーチ等、毎日持ち歩く物に入れています。
綿製品が良いというのはあまり知られてないかもしれないですね。素材選びという観点も対策になると。
外出の際に薬の持ち歩きも大事ですね!子供の場合にはドライシロップで持ち運びの利便性からロラタジンが使いやすいというご指摘もありがとうございます!
たしか、小児で使用可能な抗ヒスタミン薬も限られますので(微妙に年齢で適応が異なる)、小児の薬の把握も大切ですよね。
そうですね!小児の薬の把握も大事ですね。
あとは、対策では定期的に掃除を行うことや、飛散の多い時に布団などを外に干さない、そもそも不要な外出はしない、なども対策になりますね。
色々なご意見ありがとうございます。
「先生がおすすめする花粉症への対策は?」のテーマまとめ
- 物理的な抗原回避が大事。マスクや手洗いに洗顔を行う。
- 飛散の多い時には布団を干さず、不要な外出を控える。
- 家に入る前に上着にブラシをかけ、居住空間から離れたところに置く
- 衣類は綿製品がおすすめ
- 定期的に掃除をする
- 外出の際には薬を携帯しておく
- 喫煙されている場合には、禁煙を強くすすめる
テーマ⑤『民間療法について』
➖外来をしているとよく、民間療法について聞かれる場面はありませんでしょうか。
「こういうのが花粉にいいって聞いたけど」「腸内フローラを整えるといいって聞いた」など。
まず、実際に先生方はどんな民間療法の相談を受けたことがありますでしょうか?
「こんな意外な民間療法を相談された!」などと言った経験談などもありましたら、是非赤裸々にお話いただきたいです。
私から回答したいと思います。
私自身は、
「お茶や紅茶、ハーブティーが花粉症にはいいのでしょうか?」
「乳酸菌飲料や整腸剤がいいのでしょうか?」
「牛乳はとっちゃダメっていうのを聞いたことがある」「漢方が効くって聞いた」
などですね。
あまりびっくりするような民間療法の相談を受けた経験はないですが、COVID-19が猛威をふるっていた時に「イベルメクチンは花粉症にも効くんですよね?」という話を出された時は驚きました。
乳酸菌はよく聞きますね。
申し訳ないですが、自分は民間療法については相談されないですねー。
クリニックの特性上、薬と日常生活の注意点についてよく聞かれますが。
他には紅茶でうがいすると良とか聞いたことがあります。もったいないような気がしますが。
民間療法と言えないかもしれませんが、第二世代の抗ヒスタミン剤で効果が薄いので総合感冒薬を飲みました、という方がいました。
そういう方にこそ、他の治療をすすめて差し上げないといけませんね。
民間療法は、民間で伝わってはいるものの科学的根拠には基づかない療法ではあります。その中ではありますが、まだ効果におけるエビデンスが高いと考えられるもの、そして先生がおすすめできる民間療法はありますでしょうか。
詳しくなくて申し訳ございません。
おすすめできるほどのものはありません。先生方、何かご存知ですか?
民間療法ではないですが、漢方薬は小青竜湯、葛根湯などを症状緩和で使われたりします。
小青竜湯は有効性が証明されているのでエビデンスは比較的高く、すすめやすい方法です。
また、民間療法としては、ビフィズス菌や乳酸菌のようなプロバイオティクスがアレルギー症状を改善することを示唆するデータもあり、「取りすぎには注意」とした上で弱くすすめることはできるかもしれません!
ですが、厚生労働省より「お茶、乳酸菌、いわゆるサプリメントなどにも花粉症の症状の緩和作用が指摘されています。盲検試験でも効果が認められた報告もありますが、その結果はわずかですし、有用性の確認はまだまだ検討の積み重ねが必要です。」との記載があります。
なので、おすすめと言い切ることは出来ないですね。
ただ、プロバイオティクスに関しては2024年版の「鼻アレルギー診療ガイドライン」において「実施することを弱く推奨するが、現状では標準治療を優先する」とまで記載があるため、中でも有効性に関する報告が進んでいるのかと考えます。
ほかには、特に漢方薬においても、たとえすすめられるとしても過度の使用にならないよう注意が必要と考えます。
薬剤に伴う副作用に関して、注意説明をしっかり行うことが大事です。もし私が漢方薬の相談を受けた場合には、治療方針の了承などに懸念点を感じる方においては、処方として出すことにするかと思います。
➖鼻の周りにワセリンを塗るのは結構効果があると聞いたことがありますが、実際はどうなんでしょうか?
ワセリンに関しては、その油分が花粉をキャッチして花粉の侵入を阻止することは期待されます。例えば目の周りに塗れば、目からの花粉の侵入を予防され、対策できると考えられます。鼻においても同様のことが言えるかもしれません。
ただし、注意点もあります。
塗ったまま放置し花粉が長い時間付着することで、かえって悪化する可能性もあります。ワセリンはこまめに拭き取って新しく塗り直すなどをした方が良いでしょう。
また、鼻腔の中にまで塗ることはやめた方が良いと考えます。まれに重要な合併症として、リポイド肺炎というものがあります。寝る前に鼻にワセリンを入れて長期間使用することで、鼻から口腔内に垂れるワセリンを微量ずつ誤嚥し、リポイド肺炎を起こす報告もあるようです。
➖腸内フローラの話に繋がるのかもしれませんが、良くヨーグルトが良いとかは聞きますよね!
あと、ドラッグストアに売っているイオンバリアスプレーみたいのってどうなんですかね?
ヨーグルトも同様の期待をもってのことかと考えられます。
イオンバリアスプレーに関しては、製品の成分や品質自体を詳しく知らないのでコメントが難しいです。
あくまで科学的根拠が示されていない製品の立ち位置と考えられます。
またワセリンによるリポイド肺炎などと同様、添加物による副作用が出現するかどうかがわからず、安全性も正しく調査し確かめられている保証があるかもわからないので、現時点で安易なおすすめは出来ないというコメントにとどまります。
➖ちゃんと病院に行って薬もらったり、減感作療法や手術をしたりした方が良いはずなのですが、一般の考えだとついついエビデンスないのに身近な民間療法に走っちゃいますよね。減感作療法は手間と時間とお金がかかるので、効果はあるのにみんな中々やらない、というのは分かったのですが、手術は実際どうなんでしょうか?
心理的なハードルはあるでしょうが、日帰りで鼻詰まりがほんとうに治るならメリットは大きいですよね。
個人的にも減感作療法はかかる期間が長いのでやっていなかったのですが、日帰りで数か月とかでも鼻詰まり治るなら検討したいと考えています。
手術に関しては私たち3名とも耳鼻科医ではなく、実際治療には携わっていないため是非耳鼻科の先生にもお伺いしたい内容ですね。
舌下免疫療法は、導入はもちろん対面診療が必要ですが、オンラインでも可能なので、クリニックによっては診療についてのハードルは低くなっていますね。もちろん定期の費用がかかるのはデメリットですが。
舌下免疫療法は花粉症の根本から治すという介入点の違いでしょうかね。根治にも繋がる期待がある以上、こちらを優先したいのではないかと。
オンラインでできる利便性も大きいと思います!
対症療法か、根治に繋がる治療かという違いかと思いますが。
私も手術療法と検討中です。ハウスダストも花粉も両方アレルギーなので焼灼術かな、と思っていますが。
私の周りでは、小児医療費の所得制限が撤廃された後に、お子さんに舌下療法をやるという方が増えました。
「民間療法について」のテーマまとめ
- 実際あまり外来で相談される頻度は少ない。
- 民間療法は科学的根拠が示されておらず、標準治療が優先される。その民間療法の中でも、漢方薬(小青竜湯)や乳酸菌飲料については少しずつ有効性のデータが集まり、提案される。しかし、副作用や思わぬ合併症に気をつけなければならない。
- 民間療法においては、安全性に注意。添加物などによる有害事象にも注意が必要である。
- ワセリン塗布は花粉侵入阻止を期待できるかもしれないが、こまめに拭き取ることが必要。また鼻からのワセリン吸引が続くことで、稀に重篤なリポイド肺炎を起こすので鼻腔内には入れない方がよい。
- 間違った民間療法については訂正し、適切な治療への案内が必要である。
- 大事なのはきちんと標準治療がされていることであり、不十分であれば正しく追加治療を行う。
全体のまとめ
花粉症はたくさんの薬があり、また免疫療法、手術、民間療法に至るまでたくさんの治療の選択肢があります。
花粉症でお悩みの方は、自分の症状に合った薬や治療法を知るためにも、できれば花粉症のシーズンが始まる前、遅くても花粉の飛散が始まった早い段階で医療機関を受診し、思い当たる症状をすべて伝えるようにしてください。
執筆
執筆 太郎
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監修
音良林太郎先生
鼻咽喉科学会専門医・指導医。 耳科学会認定医。 大学医局に所属し、現在は総合病院に勤務している。耳科・聴覚が専門。 米国でポスドクとして先天性難聴の研究に携わる。
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