ほうれい線にヒアルロン酸|笑うとどうなる?デメリットは?本当のトコロを医師に直撃
イントロダクション
「ほうれい線にヒアルロン酸を入れたいんだけど、入れた後笑うとどうなるの?」「笑ったら変になるのでは?」「そもそもほうれい線の治療ってヒアルロン酸以外にも色々あるの?」
ほうれい線ケアに関する多くのご質問が寄せられておりますので、今回の座談会では美容医療にかかわる医師3名による、ほうれい線へのヒアルロン酸注入や、医学的アプローチ、ケアの方法に関する座談会を実施いたしました!
ヒアルロン酸注入の適応や是非、治療の最前線をあますことなく語っております。ほうれい線が気になっている方、医学的ケアを検討している方、笑顔がどうなるの?と気になっている方は必見です。
【参加医師の自己紹介】

くらげ先生@形成外科専門医
卒後15年目の形成外科専門医。市中病院の勤務医で、頭頸部再建などを専門としている。美容外科でのアルバイト歴もあり、ヒアルロン酸注入の経験がある。

らいおん先生@研究者・自由診療
卒後16年、医師8年目。医療脱毛専門の医療法人で副理事長を務めた経験があり、自由診療全般に知見がある。現在は企業の顧問兼研究者、全国5クリニックの医療コンサルタント、作家などを行っている。

Melon先生@消化器外科
卒後27年の外科医。抗加齢医学会専門医として、見た目のアンチエイジングについて一通り学んでいる。どちらかといえば施術を受ける側としての実体験もある。
ほうれい線にヒアルロン酸は有効なのか
——そもそも、ほうれい線に対してヒアルロン酸注入は有効な治療法なのでしょうか?
ほうれい線という凹みを中から持ち上げて平らにするので、有効かなと思っています。
ただ、組織が下がってきて生じているのであれば、何か引き上げる処置をした方がいいのかなと思います。その辺の選択には何かコツがあるのだろうと思います。
ほうれい線に対するヒアルロン酸注入は、下記のような状況ではよい適応だと考えます。
①浅いほうれい線
②中顔面のボリュームが低下している場合
③若年から中年のほうれい線
一方で、下記の状態の場合はほかの施術を勧めることが多いですね。
①皮膚弛緩が強い
②脂肪下垂が強い
③深い固定ジワ
中年って何歳くらいまでですか。50代くらいでしょうか。
歳をとると、ほうれい線に加えてマリオネットラインが気になってくると思うのですが、それは組織の下垂がより目立っていると考えたらよろしいのでしょうか。
美容皮膚科の中年は、肌がたるみやすい40代後半から50代を指すことが多いかと思います。
ほうれい線は、中顔面ボリューム低下と軽度下垂がメインです。一方で、マリオネットラインは下顔面の組織下垂と口角下降がメインです。
ヒアルロン酸は皮膚の下に注入することで、凹んだ部分を内側から持ち上げる作用があります。そのため、ほうれい線の溝にヒアルロン酸を注入すると、凹みが浅くなり、結果としてほうれい線を目立ちにくくすることができます。
つまり、ヒアルロン酸はほうれい線を完全に消すというよりも、凹んだ部分のボリュームを補うことで目立たなくする治療といえます。
また、ヒアルロン酸には、凹みを埋めるだけでなく、引き上げる効果もあるため、ほうれい線の原因が中顔面のボリューム減少やたるみにある場合には頬にヒアルロン酸を注入して皮膚や脂肪を持ち上げることで、ほうれい線を目立ちにくくする方法もあります。
比較的浅いほうれい線にはヒアルロン酸治療は有効ですが、加齢によって皮膚のたるみや下垂が強い場合には、ヒアルロン酸注入だけで十分な改善が得られないこともあると思います。
自分は、ほうれい線に直接入れるだけじゃなくて、こめかみ付近にヒアルロン酸を入れるというのもやってもらったと思います。
それは、どんな症状が気になって入れてもらったんですか。こめかみの凹みですか。
なんとなく目立つからですね。先生方がお考えになるほど具体的な問題を自覚しているわけではなく、言語化しにくいものなのです。
本人の意向に応じて最適解が異なるのが難しいですよね。予算、ダウンタイム、本人の目標、術者の技量など、いろんなファクターにより治療方法が選択されますので、正解がないのが美容医療の難しいところだなぁと思います。
「ほうれい線にヒアルロン酸は有効なのか」のまとめ
- ヒアルロン酸は、浅いほうれい線や中顔面のボリューム低下が主因のケースでは有効な治療選択肢になりやすい。
- 一方で、皮膚のたるみや脂肪下垂、深い固定ジワが強い場合は、ヒアルロン酸単独では限界がある。
- ほうれい線といっても原因は一様ではなく、直接ほうれい線に入れる方法だけでなく、頬やこめかみなど周辺構造へのアプローチが有効なこともある。
ヒアルロン酸の持続期間とベビーコラーゲンとの違い
——ヒアルロン酸を注入するとどの程度効果が持続するのでしょうか?
前提条件として、ヒアルロン酸は粘弾性の違いによって製剤が使い分けられてるんですよね。
低G’、中G’、高G’とありますが、ほうれい線には中G’を使うことが多いです。
効果は個人差はありますが、9〜12カ月くらいですね。
頬のボリューム減少に対して注入することで、間接的にほうれい線を浅くする方法では、硬めのヒアルロン酸を使ったりもしますよね。
その場合は、18〜24カ月程度の持続性がありますよね。
——ベビーコラーゲンという言葉もよく聞きますが、ヒアルロン酸とは異なるのですか?
ベビーコラーゲンは、ヒト由来のType IとType IIIを合わせて作ったフィラーです。
胎児皮膚に多いIII型コラーゲンを多く含むので、ベビーコラーゲンと呼ばれています。
目の下や口周りなど、比較的浅いシワに使います。
ベビーコラーゲンは浅いところに使うんですね。
ドクターによっても使い方が違いますから、診察で自分の顔に何が必要かを聞いて、納得してから治療を受けられるのが良いですね。
自分はヒアルロン酸をほうれい線に入れてもらったことがあるのですが、確かにほうれい線は浅くなった気はしますね。幸いまだそんなに深くなかったのかなと思います。
あまり追加する必要もなく、担当の先生にも勧められないので、何カ月もそのままです。
溶けることを嫌がる方もいますが、溶かせるということは、気に入らなかったら元に戻せるということにもなりますし、大きなメリットですよね。
「ヒアルロン酸の持続期間とベビーコラーゲンとの違い」のまとめ
- ヒアルロン酸の持続期間は、ほうれい線への一般的な注入で9〜12カ月程度、部位や製剤によっては18〜24カ月程度持つこともある。
- ベビーコラーゲンは、目の下や口周りなど浅いシワ向きで、ヒアルロン酸とは適応部位や使い分けが異なる。
- 製剤や注入部位の選択は医師によって方針が異なるため、診察時に自分の顔に何が必要かを確認することが重要である。
ほうれい線へのヒアルロン酸で笑顔が不自然に?適切な注入量とは
——ほうれい線にヒアルロン酸を注入することで笑顔が不自然になりますか?
唇とかすごい人は気付きますが、それ以外で目立つ場所ってあるんですか。
ありますね。
頬に入れすぎたら、お顔が大きく見えちゃったり、涙袋に入れすぎるとクマみたいになっちゃったりします。
美の感覚は個々人で異なりますから、一概に正解、不正解はいえないんですが、自然ではないですよね。
みんながみんな不自然になるのであれば、この治療は成り立ちませんので、ほとんどの場合は大丈夫なんです。けれど、入れ方や量などを誤ると、不自然になってしまいますので注意が必要ですよね。
不自然にならないために、患者側そして医療者側の双方で、どんなことに注意すればいいですかね。
やりすぎない加減が難しいですね。患者側からすると、もっともっとと望んでしまいそうです。ちょっと足りないくらいがちょうどいいのかもしれません。
そうですね。事前に客観的に、この部位は何ml入れますと設定できれば良いのですが、入れてみないと分からないので、見てもらいながら入れるしかないですね。
クリニック側からしたら、0.1ml単位で値段設定されているのですが、目の下などは上手な先生は0.01ml単位で調整してます。
——医師が患者さんに「これ以上いれると不自然になりますよ」といったアドバイスをすることはありますか?
保険診療と同じで、インフォームドコンセント、患者さんとのコミュニケーションが一番大事だと思います。
「これ以上入れると不自然になるかもしれません」という、患者さんの決定を助けるアドバイスはします。
美容皮膚科医、美容外科でも得意不得意分野があるので、最初は症例数が多い先生にお願いするのが無難です。
目の下は組織が薄いので、あまりたくさん入れられないそうですね。ほうれい線はそんなことなさそうですが、それでも微調整が必要なんですね。
指名料を払う価値がありそうです。
ほうれい線だと、0.5〜1.0mlが一般的です。
上手な先生は、顔の各部位に0.01ml単位で細かく入れていきます。
そうですよね。審美眼といいますか、どうやったらきれいになるかを見極めるドクターの目も大事ですよね。
ヒアルロン酸を入れることで、笑うのが不自然にならないかと心配される方もいらっしゃいますが、信頼できるドクターを見つけて、入れてもらうのがよいですよね。
たかがヒアルロン酸、されどヒアルロン酸だと思います。
入れる場所や入れる量、使う製剤で結果は異なると思いますので。
あとは、もし仮に満足できない結果、不自然になったとしても、ヒアルロン酸はヒアルロニダーゼというヒアルロン酸を分解する酵素を注入することで溶かせますから、その点は安心していただいてもいいのかなぁと思います。
「ほうれい線へのヒアルロン酸で笑顔が不自然に?適切な注入量とは」のまとめ
- ヒアルロン酸で全員が不自然になるわけではないが、入れる部位・量・製剤選びを誤ると不自然さが出る。
- 自然な仕上がりには、少量ずつ微調整する技術、審美眼、患者とのコミュニケーションが重要である。
- 不安がある場合は、症例数が多く、リスク説明や修正方針まで丁寧に説明してくれる医師を選ぶことが大切である。
ヒアルロン酸注入のデメリットと合併症
——ヒアルロン酸注入にはどのようなデメリットがありますか?
短期的には、腫れたり内出血が出たり左右非対称になったりしますね。
中期的には、Tyndall現象といって目の下などでヒアルロン酸が青く透けて見えることがあります。
長期的には、入れすぎてしまって顔が大きく見えたり、皮膚が弛んでしまったりすることですね。
この辺りを、事前のリスク説明でしっかり説明してくれるかも、信頼できるクリニック・先生であるかの見極めポイントです。
そうですね。
あとは、重大な合併症が起こりうることも理解しておかないといけないですね。
血管の中にヒアルロン酸が入って詰まってしまうと、その血管が栄養する皮膚が壊死してしまうことがありますし、眼にいく血管が閉塞することで失明した報告もあります。
あとは薬剤に対するアレルギー反応ですね。赤みやかゆみ、じんましんなどが起こります。アレルギー反応が重症化しアナフィラキシーになった場合は、動悸や呼吸困難、血圧低下などが起こりうるので、急変対応が必要となります。
そして、感染ですね。注入部に細菌が繁殖してしまうと、感染が生じて、赤み、熱感、痛み、腫れなどが生じるかと思います。この場合は、抗生剤投与したり、切開して膿を出したり、ヒアルロン酸を除去しないといけないこともありますね。
これらの合併症の確率は多くはないですが、治療を行う以上、全く生じないとは言えません。だから、自分の身体に何か異変を感じた時は、すぐに申し出ることは覚えておいた方がいいと思います。
浅いところに使いづらいことでしょうか。目の下とか。適材適所というか、部位を選びましょうということかと。受ける側も、何にでもヒアルロン酸が使えると思い込まない方がいいですね。
自分がほうれい線などに受けた時は、あまりデメリットを感じませんでした。ただ、それはひとえに合併症がなかったからということに尽きると思いますが、ひとたびそういうことがあれば目も当てられないですよね。
そうですね。
合併症が一度起こってしまうと、どんな施術であったとしても嫌になってしまうものかと思いますし、その合併症が不可逆的なものであれば、なおさらのことと思います。
なので、施術を受ける際は慎重な判断が望まれますね。
「ヒアルロン酸注入のデメリットと合併症」のまとめ
- ヒアルロン酸には、腫れ・内出血・左右差・Tyndall現象・入れすぎによる不自然さなどのデメリットがある。
- まれではあるが、血管塞栓による皮膚壊死や失明、アレルギー、感染といった重大な合併症も起こりうる。
- だからこそ、適材適所の判断ができ、リスク説明と修正対応をきちんと行うクリニックを選ぶことが重要である。
ほうれい線ケアの最適解はヒアルロン酸?ほかの選択肢とは
——ヒアルロン酸以外にはどのようなほうれい線ケアがありますか?
私がヒアルロン酸を入れた時は、たぶん最初に問診票で手術みたいなのは希望しないというところにチェックしたので、そういう提案はなかったと思います。
ひとまずは満足して、追いかけるときりがないかなと思いました。やり始めるときりがないですしね。先生もあまり次を勧めないので、こんなものかなと。
一つやると他が気になってきますからね。
ほうれい線を純粋に改善したい場合、いくつかの方法が選択肢として上がりますよね。手術で治す方法もあります。
いろんな選択肢がある中で、ほうれい線の治療の最適解って何だろうって考える患者さんも多いと思うんですが、顔の状態は個人差が大きいので、画一的な治療法、最適解というものは存在するはずがないですよね。
らいおん先生は、患者さんにどんな治療法をどんなアルゴリズムをもって提案されてますか。
私は美容皮膚科なので、そもそもオペの選択肢はないです。
もちろんご本人のご希望が最優先ですが、ボトックスやヒアルロン酸のような治療よりも、ハイフのようなリフトアップを行う予防的な治療[a]をまずは勧めます。
ベースが整った上で、気になる箇所があるようであれば、追加の一時的な治療を追加します。
——ほうれい線を外科手術で治療することもできるのですか?
ヒアルロン酸の代わりに自分の脂肪を一部採取してボリュームを足す、脂肪注入という方法もあります。ヒアルロン酸と違って定着すれば長く残りますし、自分の組織なのでアレルギーなどの反応が起こりにくいとされています。
比較的侵襲の低い治療もありますが、皮膚のたるみが強いことが原因で、ほうれい線が目立ってる場合は、そのたるみを改善しないと思った効果が得られない場合があると思います。
糸リフトといって、糸で頬部のたるみを引き上げる治療がありますが、持続期間が1年から2年ぐらいなので、定期的なメンテナンスが必要になってきますよね。
フェイスリフトといって、余ってる皮膚の切除や筋膜の吊り上げを行う手術があります。その場合、身体への侵襲は大きいですが、他の方法に比べて皮膚のたるみを物理的に解除できるので、強い効果が得られますし、その効果も長く続きます。
あとはマニアックな話になりますが、貴族手術といって、鼻の横の骨が陥没してる方で、そのせいでほうれい線が目立つ場合は、小鼻の皮下にプロテーゼなどの人工物を入れることで、ほうれい線を解消する場合もありますよね。
結局、こんな風にいろいろな方法がありますし、ほうれい線の程度や状態に応じて治療法が適応されます。
そのため、カウンセリングに行く際には、ヒアルロン酸一択にしぼって受診するのではなく、自分に合った方法を提示してもらうことが大事なのかなぁと思いますが、いかがですか。
おっしゃる通りかと思います。自分が気にしている部位について、複数の選択肢から選べる方がいいですよね。そういう提案をしてくれるところが望ましいですね。
ほうれい線の次は、マリオネットラインが気になりました。やっぱり全体に重力に負けるようになってきてるんでしょうね。
まずは、患者さん側も基本的な知識を身につけることが判断基準になると思います。
どうしても美容領域はマーケティング込みの情報で溢れているので、論文など一次情報から確認するのは一般の方にはさらに難しいですよね。
かかりつけ美容皮膚科医のような、信頼できるドクターと早めに出会えるかに左右されますね。
「ほうれい線ケアの最適解はヒアルロン酸?ほかの選択肢とは」のまとめ
- ほうれい線治療の最適解は一つではなく、ヒアルロン酸、脂肪注入、ハイフ、糸リフト、フェイスリフト、骨格由来なら貴族手術など、原因に応じて選択肢が異なる。
- 重要なのは、ヒアルロン酸ありきで受診するのではなく、自分の状態に合った方法を複数提示してもらうことである。
- 美容医療は情報の取捨選択が難しいため、信頼できる医師と継続的な関係を築けるかが大きなポイントになる。
座談会まとめ
今回の座談会では、ほうれい線ケアとしてのヒアルロン酸注入の是非や付き合い方、さまざまなほうれい線ケアについてお話を進めました。お顔の状態は人それぞれですので、ベストな施術も千差万別。きちんと状況を見極めて適切な治療を提案してもらえる先生と出会い、メンテナンスを続けていくのがよさそうですね!
最後に先生たちからのメッセージをお届けします。
くらげ先生@形成外科専門医
まとめますと、ほうれい線に対するヒアルロン酸注入は、適応を誤らなければよい方法です。しかし、適応にならない場合に無理してヒアルロン酸注入を行うと、不自然になる場合もあるかと思います。リスクもゼロではありませんので、患者さん側もしっかり勉強した上で、信頼できるドクターを見つけて適応を判断してもらうのがいいですね。みなさんが、安全な美容医療、アンチエイジングを楽しんでいただければ嬉しく思います。
らいおん先生@美容皮膚科・研究
ほうれい線にヒアルロン酸を入れると笑顔が不自然になるのでは、という不安はもっともですが、すべての方がそうなるわけではありません。ただし、適応や量、部位、製剤、術者の技量によって結果が大きく変わるので、どこで誰に施術してもらうかは非常に重要です。そのうえで、ほうれい線の原因が何なのかを見極めて、自分に合った治療を受けることが大事だと思います。
Melon先生@消化器外科
受ける側としては、気になり始めると次々に気になるところが出てきて、追いかけるときりがないという感覚もあります。だからこそ、過不足なく提案してくれる医師やクリニックに相談し、自分の希望や限界も含めて納得して治療を選ぶことが大事なのだと思います。ヒアルロン酸が合う方もいれば、他の治療の方が向いている方もいるので、まずは一択で考えすぎないことが大切だと感じました。
AIMEDは皆様から寄せられた質問に対して、医師が座談会形式で検討を重ねて回答を導き出すメディアです。今回のような病院で聞きにくいけれど気になること、病院に行く前に確認しておきたいことといった質問を、引き続き募集しています。皆様もぜひお気軽にご質問ください!
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