クレアチンとは?期待される効果や副作用、飲み方を愛用中の医師が深掘り
監修
北地 大祐 医師
2018年福島県立医科大学医学部医学科卒業。
2年間の初期研修後、横浜市立大学循環器・腎臓・高血圧内科学教室に入局。
内科専門医、腎臓専門医、透析専門医、高血圧専門医、日本医師会認定産業医。
最近、ジムに通ってます。ストレス発散出来て、記録更新の楽しさを感じてどんどんハマっていってます。
イントロダクション
今回のAIMED座談会のテーマは「クレアチン」です。クレアチンは筋トレをしている方にとってはおなじみのサプリですが、最近では睡眠の質を向上させるといった効果があるのでは?と話題になっています。そこでクレアチンを愛飲中の医師3名による座談会を実施しました。
「筋力や疲労回復に効果があるって本当?」
「体重が増えたり、腎臓に負担がかかったりしない?」
「粉末、タブレット、カプセルのうち、どれを選べばよいの?」
このような疑問について、医師3名が、それぞれの体感や飲み方も交えながら深掘りしました。
【参加医師の自己紹介】

Drでー@腎臓内科透析医
腎臓内科医、透析医、産業医。筋力トレーニングを行っており、粉末タイプのクレアチンをローディング量から開始し、現在は維持量を継続している。

みきたけ先生@元画像診断医
元画像診断医。粉末タイプが苦手なため、タブレットタイプのクレアチンを選択。

シトラス先生@感染症内科
臨床・教育・研究に従事。カプセルタイプのクレアルカリンを使用。
クレアチンとは?どのような効果が期待されている?
——そもそもクレアチンって何ですか?
クレアチンは、もともと私たちの身体の中にある成分です。主に肝臓、腎臓、膵臓などで作られ、その多くは筋肉に蓄えられています。
筋肉の中では、クレアチンの一部が「ホスホクレアチン」という形で存在しています。ホスホクレアチンは、ざっくりいうと、筋肉が一気に力を出すためのエネルギー供給を手助けする役割を持っています。
サプリメントとして販売されているクレアチンは、この働きを利用して、筋力トレーニングやスポーツのパフォーマンスをサポートする目的で使われています。
私自身は、クレアチンというと、運動後の身体の回復をサポートするものというイメージを持っていました。
クレアチンのメリットとして最もよく知られているのは、短時間で強い力を出す運動をサポートすることです。
筋力トレーニングや短距離ダッシュなどが代表的です。クレアチンを摂ることで筋肉内に蓄えられるクレアチン量が増え、エネルギーを作り直す働きを助けると考えられています。
その結果、トレーニング中のパフォーマンス向上につながる可能性があります。また、トレーニングの質が上がることで、結果的に筋肉量の増加につながることもあります。
国際スポーツ栄養学会のポジションスタンドでも、クレアチン補充によって筋肉内のクレアチン濃度が上昇し、高強度運動能力やトレーニングへの適応を改善するとされています。
もう一つ、回復やリハビリへの応用も考えられています。例えば下記のような領域に応用できる可能性があるかもしれません。
・運動後の筋肉痛や疲労
・筋損傷からの回復
・リハビリの効率向上
・サルコペニア対策
・高齢者の筋機能維持
クレアチンによって筋肉細胞内に水分が引き込まれ、タンパク質合成の場が整いやすくなることで、回復速度が上がる可能性も考えられています。
私も、個人的には筋力アップというより「回復」を意識してクレアチンを飲んでいます。
——筋力トレーニングをする人は、プロテインを飲んでいるイメージもあります。プロテインとクレアチンは何が違うのでしょうか?
プロテインとクレアチンは、役割が異なります。
プロテインは筋肉を作るための「材料」です。一方、クレアチンは、筋肉が収縮するときに必要なエネルギーの再供給を助ける補助的な存在です。
筋肉量を増やす場合は、タンパク質の摂取量を増やすことが必要です。そのうえで、同じ筋肉量でも運動時のパフォーマンスを伸ばしたい場合に、クレアチンをトレーニングの補助として使うイメージです。
「クレアチンとは?どのような効果が期待されている?」のまとめ
- クレアチンは筋肉のエネルギー供給を助ける
- 短時間・高強度運動への効果がよく知られている
- プロテインとは役割が異なる
クレアチンを飲むことで体重増加や便秘、腎機能への影響はある?
——クレアチンにはリスクや副作用はありますか?
クレアチンには水分を筋肉内に留める働きがあるため、体重が増えることが知られています。ただし、多くは筋肉内の水分量や除脂肪量の増加によるものであり、必ずしも脂肪が増えたということではありません。
人によっては、身体がむくんだように感じることもあるかもしれません。
また、一度に多く摂取した場合は下記のような症状がでる可能性はあります。
・胃部不快感
・吐き気
・下痢
・便秘
分けて摂取することで、症状が軽減しやすいともいわれています。
私が飲み始めてから実感したのは、体重の増加と夜間頻尿の悪化です。
常に身体がぽってりしているような感覚があり、見た目も少しむくんだように感じました。そのため一度やめてみたのですが、体重については、やめてもあまり変わりませんでした。
消化器症状はありませんでした。
その後に再開してみて感じたのは、脂肪がついて太ったというよりも、水分が停滞して身体がぽってりしたように感じるということです。見た目はそれほど変化していないと思いますが、体重計の数字が気になりました。
僕自身が圧倒的に感じているのは便秘です。
もともとはストレスがかかるとお腹を下すタイプで、人生でほとんど便秘をしたことがありませんでした。それが、クレアチンを飲んでいると便が出づらくなり、飲むのをやめると元に戻ります。
体重も1〜1.5kgほど増えました。ただ、クレアチンによる水分の変化なのか、便秘によるものなのかは、正直なところわかりません。
私は、今のところ副作用らしいものは特に感じていません。人によっては便秘ではなく、反対に下痢になることもあるのでしょうか?
僕の周りでは、下痢になったという話はあまり聞いたことがありません。ただ、一般的には下痢などの消化器症状が出る可能性もあるとされています。
僕は便秘についてパーソナルトレーナーに相談したところ、「相対的に腸管内の水分が減るので、水分を多めに摂った方がよい」と言われました。
下痢の場合は整腸剤を使うことになるのかもしれませんが、止痢薬まで飲みながらクレアチンを続けている人は、僕の周囲では聞いたことがありません。
——クレアチンを飲み始めたら、採血で副作用を確認した方がよいのでしょうか?腎臓への影響も気になります。
クレアチンと腎機能の関係は、少し注意して考える必要があります。
健常者が通常量を摂取した場合に、明確な腎障害リスクの増加は示されていないとされています。一方で、もともと腎疾患がある場合は、慎重に判断する必要があります。
腎機能検査では、一般的に血液中の「クレアチニン」という数値を使います。クレアチニンは、クレアチンが代謝されてできる物質です。
クレアチンを摂取すると血清クレアチニン値が変化し、検査上は腎機能が低下したように見える可能性があります。
健康診断などで腎機能の数値を指摘された場合には、クレアチンの摂取をいったん中止して再検査することなども、検討する必要があると思います。
「クレアチンを飲むことで体重増加や便秘、腎機能への影響はある?」のまとめ
- 体重増加は水分量などの変化による場合がある
- 便秘や下痢などの消化管症状には個人差がある
- 腎機能検査への影響や既存腎疾患には注意が必要
クレアチンはいつ、どれくらい飲む?形状や種類の選び方
——クレアチンは、運動前と運動後のどちらに飲むのがよいのでしょうか?
私は、運動後の方が回復への効果を期待できると聞き、運動する日は運動後に飲んでいます。ただ、そうすると運動しない日は忘れがちになります。
それなら、毎朝など、決まった時間に飲んだ方がよいのかなとも考えています。先生方はいつ頃飲んでいますか?
クレアチンを飲むタイミングについて、明確に「この時間に飲まなければならない」という決まりはありません。
仕組みから考えると、筋力トレーニング中のパフォーマンスに焦点を当てるなら運動前、運動後の回復に焦点を当てるなら運動後の摂取が検討されるのかもしれません。
ただ、重要なのは、筋肉内のクレアチン量を維持するために、忘れずに毎日摂取することだと思います。
僕自身は、朝食時と寝る前の2回に分けて飲んでいます。
——「1日2回や3回に分けて飲む」「最初はローディング量を飲む」という話がありますが、どういう意味でしょうか?
1日2回や3回に分けるというのは、朝と夜、あるいは朝昼晩に分けて摂取するという意味です。
ローディングとは、飲み始めに筋肉内のクレアチンを早く満たすため、最初の一定期間は多めに摂取する方法を指します。
【ローディングをしない場合の目安】
・1日3〜5g
・または、体重1kgあたり1日0.1g
【ローディングをする場合の目安】
・1日20gを、5gずつ4回に分けて5〜7日間
・その後は1日3〜5gで維持
ただし、一度に摂る量が多いと胃腸症状のリスクがあります。食後に摂ることで、胃腸症状が少なくなる可能性もあります。
私は、飲み始めにローディングをしました。現在は1日3回に分けて飲んでいます。
僕も最初はローディング量を飲み、その後は維持量にしています。
一度にまとめて飲んでよいのか、1日2回や3回に分けた方がよいのかは、僕自身も以前から疑問に感じていました。
——粉末、タブレット、カプセルなどがありますが、実際の飲みやすさや選び方はいかがですか?
僕が飲んでいる粉末タイプは、片栗粉のような質感で、味はほとんどありません。
普段はプロテインに混ぜるか、粉がこぼれないようにスプーンから直接口へ入れて飲んでいます。
僕は中身にはあまりこだわらず、価格の安さとコストパフォーマンスで選びました。ただ、粉末は持ち歩きにくいので、出張時などには飲めないこともあります。
家で飲み忘れたときのために、職場にも別の製品を置いています。
私はもともと粉末が苦手なので、タブレット一択でした。カプセルは思いつきませんでした。
ただ、私が飲んでいるタブレットは1錠がかなり大きく、食道に引っかかりそうな感じがあります。
口の中で噛み砕くと粉っぽくなってしまい、タブレットを選んだ意味があまりありませんでした。飲み終わったら、1錠の含有量が少なくても、もう少し小さくて飲みやすいものに変更しようと思っています。
私は、粉末を飲むのが面倒だったため、カプセルタイプを選びました。
現在飲んでいるものは、1日3カプセルで約2gです。ただ、カプセル自体が少し大きく、1回に複数個飲まなければならないのは、少し大変だと感じています。
種類がたくさんあるため、どれを選ぶべきか悩みました。ネットで調べて選びましたが、成分の違いも気になっています。
この座談会で話しているうちに、僕も外出用としてタブレットやカプセルを買いたくなってきました。
粉末タイプは価格を抑えやすい一方で、持ち運びや飲みやすさには課題がありますね。
——「クレアルカリン」という名前も見かけます。一般的なクレアチンとは何が違うのでしょうか?
クレアルカリンは、「緩衝化クレアチン」として販売されている製品です。
一般的なクレアチン一水和物よりも、
・胃酸で分解されにくい
・少ない量でも効く
・胃腸症状が少ない
などと宣伝されています。吸収がよいのではないかともいわれていますが、その分、価格は高めです。
一方で、一般的なクレアチン一水和物と比較すると研究の量が少なく、有効性が上回るとする根拠も乏しい印象です。安全性に関する研究も、通常のクレアチンほど多くありません。
消化器症状が出やすい人では選択肢として検討されるのかもしれませんが、価格やエビデンスの量も踏まえて考える必要があります。
私はクレアルカリンのカプセルを飲んでいますが、特に詳しい根拠があって選んだというより、カプセルタイプを探してインターネットで見つけたことがきっかけでした。
「クレアチンはいつ、どれくらい飲む?形状や種類の選び方」のまとめ
- 摂取時間より毎日継続することが重視される
- ローディング後に維持量へ移行する方法もある
- 形状、価格、研究量を踏まえて製品を選ぶ
飲み始めて何が変わった?医師3名の実体験
——クレアチンを飲み始めてから、どのくらいの期間で効果を感じましたか?
僕は、飲み始めてから2〜3週間程度で、筋力トレーニングのパフォーマンス向上を感じました。
クレアチンを飲む前は、ベンチプレスの記録が伸び悩んでいました。飲み始めてから、おおよそ2〜3週間で記録を少しずつ更新するようになりました。
ベンチプレスの自己ベストも更新できたので、トレーニング効率については、向上したと感じています。
一方、疲労回復については正直なところよくわかりません。日によって仕事量が違うため、現在も疲れる日と疲れない日があります。
私はクレアチンを再開したばかりなので、今後の変化を期待している段階です。
正直なところ、身体の疲れやすさには、クレアチンよりも運動量や睡眠の方が直接影響しているように感じています。現時点では、クレアチンだけの効果を明確に分けて実感することはできていません。
私は、睡眠の質と、活動しているときのパフォーマンスが上がったように感じました。具体的には、以前より疲れにくくなったような気がします。
更年期の時期でもあるため、気持ちの面によるものでも構わないと思いながら飲んでいます。睡眠の質や基礎体力という点で、踏ん張りが利くようになった気がするので、継続していく予定です。
個人的には、シニア世代にも選択肢になり得るサプリメントだと感じています。
ただし、デメリットは体重の増加です。見た目がぽってりする感じもあり、一度はクレアチンをやめました。
その後、再開してみると、やはり体調面ではよい感覚がありました。そのため、現在は体重増加については受け入れて、摂取を続けています。
実際の体感には、かなり個人差がありそうですね!
「飲み始めて何が変わった?医師3名の実体験」のまとめ
- 効果を感じるまで数週間かかった医師もいた
- 筋力、睡眠、疲労感への体感には個人差がある
- 運動や睡眠など他の要因との区別は難しい
座談会まとめ
今回は話題のクレアチンの効果について飲用中の医師3名により効果や体感、飲み方や選び方などを深掘りしました。筋トレでのパフォーマンス向上や睡眠の質向上といった魅力的な経験が並ぶ一方で、見た目の変化などのデメリットもあるようです。
最後に座談会でわかったことをまとめます。
- クレアチンは筋肉のエネルギーを補助する
クレアチンはもともと体内にあり、筋肉が短時間に強い力を出す際のエネルギー供給を助けます。プロテインが筋肉の材料であるのに対し、クレアチンは運動時のエネルギー再供給を支える存在です。 - 期待される効果には幅がある
短時間・高強度運動のパフォーマンス向上がよく知られています。回復やリハビリ、高齢者の筋機能維持への応用も考えられていますが、実際の体感には個人差があります。 - 体重や消化器症状に注意する筋肉内の水分量の変化などにより、体重増加やむくんだような感覚が生じる場合があります。便秘や下痢などの消化管症状についても、人によって感じ方が異なります。
- 腎機能検査では服用を伝える
クレアチンの摂取によって血清クレアチニン値が変化し、検査上は腎機能が低下したように見える可能性があります。既存の腎疾患がある場合や、健康診断で異常を指摘された場合は慎重な判断が必要です。 - 続けやすい飲み方を考える
摂取する時間には明確な決まりがない一方、毎日継続することが重視されます。粉末、タブレット、カプセルにはそれぞれ飲みやすさや価格の違いがあるため、自分が続けやすい形を考える必要があります。
このように、AIMEDでは皆様から寄せられた質問に対して医師3名で討論&深掘りをして回答を導きだします。病院で医師に聞きにくいこと、暮らしのなかでふと気になったことなどがありましたら、お気軽にご質問ください!
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