ジェネリック医薬品って本当に同じ?デメリットはないの?医師3名で徹底討論

ジェネリック医薬品って本当に同じ?デメリットはないの?医師3名で徹底討論

監修

イズデプスキ 龍也 医師

イズデプスキ 龍也 医師

2015年昭和大学医学部卒業。
2年間の初期研修後、昭和大学産婦人科に入局。
2025年から昭和医科大学 医学教育学講座に在籍。
産婦人科専門医、超音波専門医、周産期・新生児医学会認定専門医。医学博士。

イントロダクション

「ジェネリック医薬品って病院や薬局ですすめられるけど効果あるの?」

病院や薬局ですすめられるたびに気になりますよね。今回は読者の皆様から寄せられたジェネリック医薬品に関する質問を医師3名が座談会で検討いたしました。ジェネリック医薬品との効果や付き合い方が気になっている方のお役に立てると幸いです。

【参加医師の自己紹介】

たけちん先生@呼吸器外科・産業医
2016年医師免許取得。大学病院や市中病院で肺がん手術を中心に診療。現在は病院での手術に加え、救急外来および企業の産業医としても活動している。院内でもジェネリック採用が進む中、実臨床での経験を踏まえた議論を重視している。

イプ先生@産婦人科・医学教育
2015年医師免許取得。昭和医科大学産婦人科に在籍しつつ、現在は医学教育(医学生指導・カリキュラム作成・国家試験対策)を主業務としている。専門は周産期・超音波。外来業務も継続している。

りょー先生@膠原病・リウマチ
2018年医師免許取得。地方国公立大学で医員として勤務し、来年度より学生教育にも従事予定。専門は膠原病・リウマチ。地域医療の現場でのジェネリック使用経験が豊富。

ジェネリック医薬品とは|制度上の位置づけと実務での扱い

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を持ち、基本的に同等の効果が期待される、特許切れ後に作られる薬ですね。例えるならコンビニのプライベートブランドのお茶のようなイメージでしょうか。

その例えはわかりやすいですね。同じ服でもブランドロゴがあるかどうかで値段が違う、という感覚にも近いと思います。患者さんには「薬は最初に作った会社が秘伝のレシピを独占しているけれど、期間が過ぎると誰でも作れるようになる」という説明もよくします。

国としてどの程度推奨されているのでしょうか。

私は「絶対にジェネリックにして!」ほどの推奨はしていませんが、「先発品じゃなきゃダメ!」と言ったこともありません。みなさんはいかがでしょうか?

国はかなり積極的に推奨しています。医療費が増加しているなかで、同じ成分でコストを抑えられるジェネリックを使うことで、保険制度を維持する狙いがあります。数量ベースで80%以上をジェネリックにする方針もあります。

私自身のスタンスとしては、「絶対ジェネリック」というわけではなく、患者さんが納得して選ぶことが重要だと思います。

地方では経済的背景もあり、基本的にジェネリックを処方することが多いです。先発品を希望すると追加費用がかかる制度の影響もあり、後発品へ切り替える患者さんも増えています。

——調剤薬局で処方箋を提出すると「ジェネリックにしてもよいでしょうか?」と聞かれることがあります。調剤薬局側はジェネリックにするメリットがあるのでしょうか?

結論から言うと、薬局が勝手に変えているというよりは、薬局が制度として許可された範囲で患者さんに選択肢を提示している、という感じです。

前提として、処方箋に「変更不可」と書かれていなければ、薬剤師さんはジェネリックに変更できます。これは国のルールで認められていて、医師もそれを前提に処方していることが多いです。

なので、どちらでもいい前提で処方されていて、薬局で最終確認している、という流れになります。

薬局はジェネリックを適切に使うと、後発医薬品調剤体制加算という加算がつきます。この背景には、国が医療費を抑える政策があるからです。

薬局が自分たちの利益のために変えているわけではなく、国の政策と医師の承諾を前提として提案しているということはお伝えしたいですね!私もいい話には裏があるのでは?と必ず疑ってしまうので(笑)。

私は関節リウマチの診療をしていて、勝手にジェネリックに変えられて困ることがあります。

先発品と後発品で適応疾患が異なってたり、先発品は8mg/日まで使えるけど後発品は3mg/日までしか使えなかったりするのもあるんですよね。

その場合、勝手に後発品に変えられると、(保険診療上)不適切な処方ということで病院の自腹になることがあります

ありがとうございます!私は経験がなかったので勉強になりました。

「ジェネリック医薬品とは|制度上の位置づけと実務での扱い」のまとめ

  • ジェネリック医薬品は先発品と同じ有効成分を持つ後発医薬品
  • 国は医療費抑制・保険制度維持の観点から強く推奨している
  • 実臨床では一律ではなく、患者の納得や背景を踏まえて選択することが重要

ジェネリック医薬品の効果は本当に同じ?

——ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ効果が得られるのでしょうか?

大前提として、ジェネリックは「生物学的同等性」が確認されており、有効成分の体内への入り方も同等であることが証明されています。原則として効果は同じです。

ただし「効きが違う」と感じることは実際にあります。主な理由は添加物の違いで、溶け方や味などが異なるため、体感に差が出ることがあります。

特に個人的に違いを感じるのは溶け出し方です。24時間徐放製剤は薬剤によって違うはずで、実際の臨床でも血圧の下がり方などは同成分でも薬剤ごとで違いを感じることはあります。

また心理的要因も大きいと思います。先発品の方が効きそうだと思って服用する方も多く、睡眠薬などでは特に影響を感じます。

科学的には同等だが、体感として差を感じることはあり得る、という整理になりますね。

「ジェネリック医薬品の効果は本当に同じ?」のまとめ

  • ジェネリックは生物学的同等性が確認されており、基本的に効果は同じ
  • 添加物や製剤設計の違いにより体感差が生じることがある
  • プラセボ効果など心理的要因も影響する

ジェネリック医薬品のデメリットはある?

——患者さんとしては「安い分、何かデメリットがあるのでは?」という不安があると思いますが、実際に注意すべき点や、臨床で感じるデメリットはありますか?

品質が低いから安いわけではない点は強調したいです。デメリットは主に使い勝手の違いです。例えば供給状況によって薬局の採用品が変わると、見た目や名前が変わり混乱することがあります。

デメリットと言えるかどうかわかりませんが、「情報量の差」もあります。先発品は長年のデータや臨床経験が豊富ですが、ジェネリックはそこがやや少ないので、細かい使い分けの知見は先発品に軍配が上がる場面もあります。

確かに、採用品が変わったら「薬を間違えているのでは?」と混乱してしまう方もいるかもしれませんね。

アドヒアランスの問題もあります。見た目が変わることで薬を取り違えるケースがありました。長年慣れた薬の形が変わると、飲み間違いが起きる可能性があります。

——アドヒアランスとは何ですか?

私たちが治療をするとき、「この患者さんは私たちが処方した薬を、家できちんと飲むことができるのか?」ということを考えます。これをアドヒアランスといいます。

実際の診療の場面では、薬を飲みわすれてしまう方や、自分の意志で飲まない方等色々な方がいます。先発品の方が基本的には先に使用されているので形や色に慣れていると思います。

——どういったケースがあるのでしょうか?

例えば、先発品のリウマチの薬が色付きのカプセルで、胃薬が白くて丸い薬という状況に長期間慣れていたとします。後発品のリウマチの薬が白くて丸い形だとすると、後発品に切り替えたときから色形がそっくりになってしまい、「今日は胃の調子がいいから胃薬は飲まなくていいや」と思って1剤の内服をやめた時に、胃薬をやめようとしたがリウマチの薬をやめてしまっていたということがありました。

自己判断で服薬を調整するタイプの患者さんでは、あえて切り替えない方がよいケースもあるということですね。

「ジェネリック医薬品のデメリットはある?」のまとめ

  • ジェネリック医薬品のデメリットは効果ではなく製剤差や見た目・供給の問題が中心
  • 先発品に比べ情報量や臨床データが少ない場合がある
  • 見た目の変化によりアドヒアランス低下や誤服薬のリスクがある

医師自身はジェネリックを選ぶのか

——先生方ご自身やご家族の場合、どのような基準でジェネリックを選ばれていますか?

また、あえて先発品を選ぶケースがあれば、その理由も含めて教えていただけると嬉しいです!

自分自身の場合は基本的にジェネリックを使用します。効果が不十分と感じた場合に先発品を検討します。家族にも基本的には後発品を勧めています。ただし徐放製剤などは慎重に経過をみます。

私は「お任せ」に近いスタンスです。特に強いこだわりはありませんが、ジェネリックで問題ないと考えています。

医療費の観点ではジェネリックが望ましいとは思いますが、実際にはそこまで強く意識して選んでいるわけではないのが正直なところです。

医療費は税金から成り立っているので、その観点からもジェネリックを優先する考え方は重要だと思います。

ジェネリックを基本としつつ、効果や製剤特性を見て先発品を検討するという考え方、とても実臨床に即していて参考になります。

医療費の観点も含めて、患者さんにとっても重要な視点ですね!

——読者目線で最後に伺いたいことがあります。

患者さんとしては、「ジェネリックを勧められたら基本は受け入れてよいのか」「どんなときは医師や薬剤師に相談した方がよいのか」が気になると思います。目安やメッセージがあれば、先生方の考えを教えていただけると嬉しいです!

一度もジェネリックを内服したことが無い状態で、ジェネリックを勧められたのであれば、後発品に切り替えても問題はないと思います。以前一度同じジェネリックを試して効果がなかった場合は、その薬剤は先発品のままでよいと思います。

あるAの薬剤をジェネリックに変えて薬効を感じにくくなったとしても、BやCなどの他の薬剤もまとめてジェネリックにしてほしいとは考えてほしくなく、それぞれの薬についてジェネリックか先発品どちらがより良いかを検討いただくのがよいのではないでしょうか。

たしかに、医師から伝えることはあまりない(私は聞いたことありません)し、薬局で「ジェネリックでいいですか」と言われる頻度もたまにくらいで、少ないですね。

ただ、基本的には先に述べたように、ジェネリックで問題ないと思います。有効成分の効き目はしっかり保証されているはずですので。

逆に相談してほしいケースは、ジェネリックになって薬剤のサイズが変わって使用しにくい、使い勝手や使用感が変わって使いにくい場合や体調に違和感があるときですかね。薬のコーティング剤などの添加物が合っていない可能性は多少なりとも可能性はあると思います。

「医師自身はジェネリックを選ぶのか」のまとめ

  • 医師自身はジェネリック医薬品を選択するケースが多い
  • 効果や製剤特性に応じて先発品を検討する柔軟な姿勢が求められる
  • 医療費や社会全体の負担も考慮しながら判断することが重要

座談会まとめ

今回の座談会ではジェネリック医薬品の効果や付き合い方についてお話をしました。
座談会のまとめはこちらです。

ジェネリック医薬品とは?:ジェネリックは、先発品と同じ成分と効果を持つ薬です。国は医療費を抑えるためにこの薬の使用を勧めており、薬局で提案されるのもそのためです。

効果の違いや注意すべきこと:薬の成分は同じなので基本の効果も同じですが、薬を固める成分の違いで効き目や溶け方に差を感じることもあります。また、薬の見た目や名前が変わることで混乱し、飲み間違いや飲み忘れが起きてしまう可能性がある点がデメリットです。

薬の選び方と読者さんへのアドバイス:医師自身も基本的にはジェネリックを選んでいます。一方で、患者さんが納得して選ぶことが一番大切だと考えています。薬が飲みにくかったり違和感がある場合は、医師や薬剤師さんに相談してみましょう。



AIMEDは、このような「気になるけど病院で医師に聞きにくい」「本当のところが知りたい!」という皆様の質問にお答えするメディアです。【医師に調査をリクエスト】から、ご質問をいただきましたら、本記事のように医師が座談会を開催して、皆様のご質問を検討いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください!

参考文献

『ジェネリック医薬品の品質・有効性・安全性について』(医薬品医療機器総合機構):
https://www.pmda.go.jp/files/000234565.pdf

『後発医薬品の使用促進について』(厚生労働省):
https://www.mhlw.go.jp/seisaku/2012/03/01.html

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