プロテインは身体に悪い?腎臓・肝臓への影響と適量を医師3名が検証

プロテインは身体に悪い?腎臓・肝臓への影響と適量を医師3名が検証

監修

石田 慎 医師

石田 慎 医師

日本内科学会 認定医

日本消化器病学会 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本肝臓学会 専門医
【専門分野】 消化器全般

イントロダクション

今回のAIMED座談会のテーマは「プロテインは体に悪いのか」です。

「プロテインを飲むと腎臓や肝臓に負担がかかる?」「1日にどのくらいまでならよい?」「高齢者や女性は、専用の商品を選ぶべき?」

こうした疑問について、整形外科・救急科・消化器内科の医師3名が、スポーツ現場や診療での経験、研究データを交えながら話し合いました。

【参加医師の自己紹介】

Dr.u@整形外科医

Dr.u先生@整形外科
愛知県で整形外科医として勤務。プロ野球チームや体操競技、高校サッカーのメディカルチェック、帯同など、スポーツ医療にも関わっている。選手や患者からプロテインについて相談されることもある。

きっくちゃん先生@消化器
都内の総合病院で消化器内科医として勤務し、消化管・肝胆膵を幅広く診療している。学生時代はハンドボール部に所属し、毎日プロテインを飲んでいた経験がある。近年は肝臓領域の講演も担当している。

救命医エルメス先生@救急科・整形外科

救命医エルメス先生@救急科・整形外科
都内で救急医・整形外科医として勤務。長年柔道を続け、全日本柔道連盟オリンピック委員、全日本医師柔道連盟に所属し、柔道大会の救護にも携わっている。筋力トレーニングとプロテイン摂取の経験もある。

健康状態と摂取量で変わるプロテインの影響

——プロテインを飲むと、身体に悪い影響はあるのでしょうか?

医学的には少し大きすぎる問いなのかなと思っています。

健康な若い方なのか、腎機能が低下している方なのか、高齢者なのか。食事も含めた1日のタンパク質摂取量がどの程度なのかによっても、答えはかなり変わると思います。

スポーツの現場ではプロテインを摂取している方は非常に多く、私自身も選手や患者さんから「プロテインって腎臓に悪くないんですか?」と聞かれることがあります。

一方で、健康な方が一般的な範囲で摂取することによって、本当に腎臓や肝臓が悪くなるのかという点は、少しイメージが先行している部分もあるのではないでしょうか。

健康な人が常識的な範囲でプロテインを摂る分には、基本的には問題ないと考えています。

一方で、すでに腎障害がある方では高タンパク摂取に注意が必要です。むしろ問題になるのは、自分では健康だと思っていても、潜在的な腎障害があるケースです。

CKD(慢性腎臓病)は初期には症状がないことも多いので、糖尿病や高血圧がある方、健診でeGFRの低下や蛋白尿を指摘されている方などは、自己判断で大量に摂るのは避けた方がよいと思います。

ジュニアユースの選手のお母さんから、「こんなにプロテインを摂って、腎臓に悪くないのですか」と質問されたことがあります。運動習慣がある選手の感覚では、たくさんのカロリーが必要ですし、筋肉のための栄養素の一つとしてタンパク質も必要です。しかし、運動をしない人の視点では、異常な量を摂取しているように見えることもあるようです。

親として子どもの体調を心配するのは当然ですし、「プロテインを飲みすぎると腎臓を悪くする」という噂が一人歩きしている面もあるのかもしれません。

「健康な人が」「適切な量を飲む」という限りにおいては、プロテインが問題になることはまずないと考えてよいと思います。

文献を探したところ、プロテイン製品が問題になる可能性として、薬物性肝障害の報告などがありました。ただし、製品に含まれる別の成分が原因となった可能性も考える必要があります。

「添加物」という表現よりも、「プロテイン製品にほかの成分が混入していることが問題」とした方が正確だと思います。

添加物というと保存料・着色料・香料などを連想しますが、実際に問題になるのは、筋肉増強系サプリなどに表示されていないステロイド等が混入しているケースです。マイナーな海外メーカーの製品や、海外で直接購入したスポーツサプリでは、表示されていないアナボリックステロイドなどが混入している例が報告されています。

「このプロテイン、やたら効くな」
↓
実はステロイドなどの薬剤が混入していた
↓
効果を感じても、その分、薬剤性肝障害などのリスクがある


このような問題は、プロテインそのものの有害性とは分けて考える必要があります。

「健康状態と摂取量で変わるプロテインの影響」のまとめ

  • 健康な人が適量を摂る場合、一律に悪いとはいえない
  • 腎障害や糖尿病、高血圧がある人は注意が必要
  • 未表示成分の混入はプロテイン自体と分けて考える

腎臓や肝臓に病気がある場合プロテインとの付き合い方

——腎臓への影響は、どんな点に注意すればよいですか?

高タンパク摂取によって糸球体濾過量が増加する、いわゆる糸球体過剰濾過が起こることが知られています。健康な方にみられるこの反応は、生理的な適応と考えてよいのでしょうか。それとも、長期間続くことで将来的な腎機能低下につながる可能性も考えておく必要があるのでしょうか。

また、健診などで蛋白尿やeGFR低下を指摘されている方については、どの程度のタンパク質摂取量から注意すべきなのか、実際の臨床での考え方も教えてください。

健康な方で高タンパク摂取によってGFRが上昇するのは、まずは生理的な適応反応と考えてよいと思います。

ただし、その過剰濾過が何年、何十年と続いてもまったく問題ないと言い切れるほど、長期のデータはありません。現時点では、健康な人の高タンパク摂取が腎障害を起こすという明確なエビデンスはない、という表現が適切だと思います。

一方、すでにCKDがある方では話が変わります。KDIGO 2024では、CKD G3〜G5ではタンパク質0.8g/kg/日程度、進行リスクがあるCKDでは1.3g/kg/日を超える高タンパク摂取を避けるとされています。

健診で蛋白尿やeGFR低下を指摘されている方は、まず腎機能をきちんと評価してからプロテインを増やす、という考え方がよいと思います。

実際の臨床では、腎機能が悪いトレーニーと遭遇したことはほとんどありません。別の表現をすれば、腎機能が悪いことを自覚しながら、プロテインを大量に使用している人に会ったことがないです。

通常の外来では、もっと緩やかな指導になると思います。「腎機能が悪いので、プロテインは控えめにしましょう」とお伝えする程度です。プロアスリートであれば、より細かく評価して指導するのでしょうが、通常の外来でそこまで詳細な指導をするのは現実的には難しいですね。

私も、腎機能が悪いにもかかわらず高タンパク摂取を続けている方は、ほとんど見たことがありません。そもそも、そのような方が腎機能を心配して来院することを、こちらも想定しにくいです。

——飲んだプロテインは体の中でどう使われますか? 肝臓に病気がある場合は注意が必要ですか?

タンパク質の「吸収」についても教えてください。大量にタンパク質を摂った場合、どこまで腸管から吸収されるのでしょうか。

一定量を超えると吸収されずに便として出ていくイメージもありますが、実際にはかなりの部分が吸収され、余剰のアミノ酸が代謝され、窒素は尿素として腎臓から排泄されるという理解でよいのでしょうか。

ここが分かると、「大量にプロテインを飲んだとき、腸管側である程度ブレーキがかかるのか、それとも腎臓まで負荷が届くのか」という今回のテーマにもつながる気がします。

おっしゃる通りで、基本的にはほぼすべて、まず腸管で吸収されると考えられているようです。肌感覚としては「本当かな」とも思いますが、過去の研究ではそのように考えられています。

食物繊維量や熱による変性、吸収障害を来す腸管疾患などによって、必ずしもそうならない場合はありますが、健常であれば基本的には腸管でほぼ全量が吸収されるという考え方です。

吸収の上限というより、プロテインに期待される筋タンパク合成への利用に上限があり、それを超えた分は代謝され、窒素は尿素として腎臓から排泄されるという理解です。

つまり、「腸管で吸収できる量に明確な上限がある」というより、基本的には吸収されたうえで、筋タンパク合成などに利用できる量に一定の限界があり、余剰のアミノ酸は酸化や尿素産生など、別の代謝経路に回るという理解なのですね。

Mooreらの2009年の研究では、若年男性が下肢のレジスタンストレーニング後に0、5、10、20、40gのタンパク質を摂取したところ、筋タンパク合成は20g程度でほぼ最大となり、40gに増やしてもさらなる増加は乏しく、むしろロイシンの酸化が増加したと報告されています。

一方、Macnaughtonらの2016年の研究では、全身のレジスタンストレーニング後にホエイプロテイン20gと40gを比較すると、40gの方が筋タンパク合成が約20%高かったと報告されています。さらに、除脂肪体重が多い群と少ない群で反応に明らかな差がなかったという点も興味深いところでした。

「1回20g程度で筋タンパク合成は頭打ちになる」というデータもあれば、全身を使ったトレーニングでは40gでもさらに合成が高まるというデータもあるわけですね。

単純な体格や筋肉量に加えて、そのときにどれだけの筋量を動員したのか、トレーニングの内容や強度、年齢などによっても、筋タンパク合成を最大化するために必要な量は変わるのではないかと感じました。

実際にアスリートへ指導する場合も、「1回何g」という数字に加えて、1日の総タンパク質摂取量やトレーニング内容まで含めて考える方が適切なのかもしれません。

プロスポーツや競技スポーツでは、タンパク質の摂取量までメディカルドクターが細かく決めることはむしろ少なく、チームに帯同するトレーナーや栄養スタッフが、競技特性やトレーニング内容を踏まえて管理していることが多い印象です。「腎臓にとって安全か」という医学的な視点と、「競技パフォーマンスのためにどれだけ必要か」というスポーツ栄養学的な視点を、分けて考える必要がありそうです。

付け加えると、肝硬変の方では病態によってタンパク質摂取を個別に考える必要があり、プロテインに代えてBCAAを用いる場面があります。

今のところ、肝硬変がありながら自己判断でプロテインを飲んでいる方には出会ったことがありません。ただ、肝硬変が進行し、サルコペニアになっていく過程で適切に指導しておかないと、「タンパク質が必要なら、プロテインを飲もう」という発想になる可能性はありますね。

スポーツ栄養学と医学を分けて考える必要は確かにあると思います。一方で、食事だけでは不足するタンパク質をプロテインで補うという基本は、スポーツ栄養学でも医学でも共通するのではないでしょうか。

「腎臓や肝臓に病気がある場合プロテインとの付き合い方」のまとめ

  • 健康な人の長期的な影響は断定できるデータが十分でない
  • CKDがある場合は病態に応じた摂取量の調整が必要
  • 吸収量と筋タンパク合成に利用される量は別に考える

食事と運動量から考えるたんぱく質の必要量とカロリー

——1日にどのくらい摂ればよいですか? 摂りすぎると何が起こりますか?

そもそも、私たちが1日に必要とするタンパク質量をきちんと確保できているのかという視点も大切だと思います。

まず普段の食事から必要なタンパク質を摂ることが大前提であり、食事だけでは必要量を満たせない場合に、不足分を補うものとしてプロテインを利用する、という位置づけで考えています。

健康な成人では1日にどの程度のタンパク質摂取を目安にすればよいのでしょうか。また、どこからが「摂りすぎ」と考えられるのか、下痢やニキビ、尿酸、カロリー過多などの現実的なデメリットについても伺いたいです。

健康な成人であれば、まずは最低でも1g/kg/日を目安に、日々の活動量や運動の程度に応じて最大2g/kg/日まで増やしていく形になると思います。年齢、性別ごとの指標は、厚生労働省が公開している資料が見やすく、参考になります。「摂りすぎ」の基準は、2g/kg/日を超えたところと考えてよいと思います。

現実的なデメリットとして、まずカロリー過多があります。製品によりますが、プロテインは1回あたり100kcal前後で、牛乳で割るとさらに130kcalほどプラスされる計算になります。この点は注意が必要です。

一昔前のプロテインは牛乳でなければ飲むのがつらいものも多かったのですが、今は水でもおいしく飲める製品が増えています。いずれにしても、1回のプロテイン摂取でどのくらいカロリーが増えるのかは理解しておいた方がよいですね。

また、プロテインを飲んで下痢をする方もいます。冷たいものを一気に飲むことや乳糖不耐などが原因として考えられ、量や種類、飲む速度、温度などで対策できる部分もあると思います。

1日の摂取量については、きっくちゃん先生と同じ考えです。きちんと運動習慣がある方であれば、プロテイン摂取については基本的に大きな問題はないと考えています。

そういう方は栄養への意識も高く、自分の体重や運動量に合わせて摂取量を調整していることも多い印象です。

むしろ気をつけたいのは、運動量がそれほど多くないのに「プロテインを飲めば健康になる、筋肉がつく」と考えて、普段の食事にそのまま上乗せしているケースでしょうか。運動量に対して必要以上に摂れば、結局はカロリーオーバーにつながります。

フルーツグラノーラのような食品も似たところがあります。ビタミンや食物繊維が多く、一見かなり健康そうに見えても、油断して量を食べると高カロリーになります。私も以前かなり食べていた時期があり、「健康的なものだから大丈夫だろう」と思っていたら、しっかり太りました(笑)。その頃は、皮膚のコンディションも少しニキビっぽくなった印象がありました。

健康そうに見える食品でも、量を気にせず摂ればカロリーオーバーになる。この点はプロテインにも通じると思います。

健康だと思って摂りすぎてしまうのは、よくありますね(笑)。運動習慣がある人でも、スポーツで飛び抜けた成果を出すために無理をすることがあります。

私の身近な後輩医師にも、体重70kgほどで、筋力トレーニングに励む時期は1日200gのタンパク質を摂取していた人がいます。「大丈夫かな」と、見ていて心配になりました。

——飲んでお腹の調子が悪くなることもあるのでしょうか?

私も以前、トレーニングにハマっていた時期があります。YouTubeやSNSでは、「筋肥大を目指すなら最低でも2g/kg/日くらいは摂らないといけない」「3g/kg」といった情報も見かけますよね。

私自身の経験では、プロテインを飲み始めると、どうもお腹の調子が悪くなることがあります。ニキビが増えたり、特に実感するのは、おならの臭いがかなり強くなることです(笑)。

普段、牛乳や乳製品を摂っても症状はないため、自分では乳糖不耐症ではないと思っています。総タンパク質摂取量が同じでも、食事から摂ったときより、プロテインから摂ったときの方がおならの臭いが強くなり、微妙に体調が悪いように感じました。どのような機序が考えられるのでしょうか。

おならの臭いが強くなるという話は、よく聞きます。

一般的には、プロテインを一気に流し込むと、腸が吸収できる速度を超えてタンパク質が流入し、消化不良を起こす可能性があるといわれています。そのタンパク質を餌にする腸内細菌が増え、臭いの元になる物質を産生するという考え方です。下痢や肌荒れの原因にも関係するのではないか、という説もあります。

先ほど、理屈上はタンパク質の多くが腸管から吸収されると話しました。その一方で、1回に多量摂取すればこのようなことが起こるともいわれています。1日の目標タンパク質摂取量さえ満たせばよいという、単純な話ではなさそうです。

理論上は腸管で吸収されるとしても、吸収の速度には個人差があるということですね。

私自身、筋肉をつけたくて何度も筋力トレーニングに挑戦しています。しかし、毎回プロテインを飲み始めるとおならの臭いが強くなりますし、食事だけで補おうとして毎日、豆腐・納豆・鶏肉・卵という生活を続けるのにも嫌気がさして、結局挫折しています(笑)。

同じタンパク質量でも、1回に摂る量や摂取方法、消化管や腸内環境との相性によって、「その人が無理なく継続できる量」は違うのかもしれませんね。

体臭については、かなり主観的な話になります。私自身は肉類を多く摂っていた時期に、少し体臭が強くなったように感じたことがあります。一方、減量のために野菜とタンパク質を中心とした食生活に変えた時期には、体臭はむしろ減ったような印象がありました。

ただ、体臭は自分では評価しにくいので、皮脂が増える、肌が脂っぽく感じるといった変化の方が自覚しやすいのかもしれません。野菜とプロテインを中心とした食生活にしたときは、腸管ガスが増えた感覚もありました。

このあたりはタンパク質そのものに加えて、食物繊維の量や腸内細菌、乳糖への耐性など、食事全体の影響も大きそうですね。

「食事と運動量から考えるたんぱく質の必要量とカロリー」のまとめ

  • プロテインは食事で不足する分を補う位置づけ
  • 運動量に見合わない上乗せはカロリー過多につながる
  • 腹部症状には量や飲み方、体質も関係する可能性がある

高齢者のタンパク質不足とプロテイン選び

——高齢者のタンパク質摂取やプロテイン選びでは、何を大切にすればよいですか?

高齢者では、プロテインの「摂りすぎ」に注意が向きがちな一方で、高齢者こそタンパク質をしっかり摂った方がよいという話も聞きます。

特にサルコペニアやフレイルの予防という観点では、むしろタンパク質不足を気にした方がよいケースもあるのではないでしょうか。

高齢者の方には、むしろ積極的にタンパク質を摂っていただきたいと思っています。もちろん、基礎疾患がある場合もあり、一概にはいえませんが、サルコペニアやフレイルの予防のためにもタンパク質は必要です。

高齢になると食が細くなりがちで、タンパク質の絶対量が少なくなることが多いため、若いときよりも意識して摂る必要があります。肉類が食べにくくなってきた場合は、魚介や大豆など、ほかの食品から摂るのもよいのではないかと思います。

高齢者のプロテインについては、患者さんから相談されることがよくあります。

以前、内科クリニックの先生から勧められて購入したというプロテインを見せてもらったことがあります。私が知らないメーカーで、価格も一般的な商品よりかなり高めでした。その先生なりの考えや選択理由があると思うので否定はしませんでしたが、成分を見た限り、特別な医学的メリットがあるようには見えませんでした。

そこで、「タンパク質を補うことが目的であれば、ドラッグストアなどで購入できる、信頼できるメーカーの手頃なプロテインでも十分だと思います」とお伝えしました。

高齢者の場合も、「高齢者専用だから高価なものが必要」というより、まず必要なタンパク質量を無理なく確保できることの方が大切だと思います。

——「女性向け」のプロテインは、何が違うのでしょうか?

最近は「女性向けプロテイン」といった商品も多く見かけます。医学的・栄養学的に、女性だからタンパク質の必要量や種類を特別に変える必要はあるのでしょうか。

女性だからといって、プロテインの内容や種類を特別に変える必要は、基本的にはないと思っています。

「女性向け」という表示だけで判断せず、食事も含めて必要なタンパク質量と総カロリーを確保できているかを確認することが大切です。運動習慣がある女性でも考え方は同じで、必要量に応じて不足分をプロテインで補えばよいと思います。

むしろ女性では、減量を意識するあまり、総摂取カロリーまで不足してしまうケースに注意が必要です。

プロテインは商品設計の幅が広く、「サルコペニア高齢者向け」「女性向け美肌プロテイン」など、対象を明確にした商品も作れます。消費者にとっては「自分向け」と書いてあると選びやすくなる一方で、中身に本当に意味のある違いがあるのかは別の話です。医療者としては、ネーミングやイメージに頼らず、タンパク質量や成分を見て判断したいところです。

大手メーカーでも、「体を大きくしたい人向け」「減量したい人向け」「女性向け」「ジュニア向け」など、目的別に細かく分けています。ただ、タンパク質そのものがまったく別物というより、糖質を増やしてカロリーを高めたり、ビタミンやミネラルを加えたりと、目的に合わせて周辺の栄養素を調整しているものが多いと思います。

「女性用だから特別なプロテイン」「高齢者用だから特別なタンパク質」というより、誰に何を追加するかという商品設計の違い、と考える方が分かりやすいのではないでしょうか。

——ホエイ・カゼイン・ソイは、どう選べばよいですか?

プロテインには、ホエイ・カゼイン・ソイなどがあります。健康な方が選ぶ際に、目的によって使い分ける医学的・栄養学的な意味はどの程度あるのでしょうか。

「筋肥大ならホエイ」「寝る前ならカゼイン」「女性ならソイ」といった情報も見かけますが、そこまで種類にこだわる必要があるのか、それとも種類以上に1日の総タンパク質量や継続しやすさの方が重要なのか、先生方のお考えを伺いたいです。

ホエイは吸収の速さという観点から好まれ、緩やかな吸収を求めるならカゼインとよくいわれます。乳糖が合わない方は、ソイを選択することになると思います。

とはいえ、重要なのは、どのような形であっても1日の目標タンパク質摂取量をまず満たすことです。アスリートやボディビルダーが特性を理解して使い分けるのはよいと思いますが、まずはタンパク質の絶対量を確保することの方が重要です。

「高齢者のタンパク質不足とプロテイン選び」のまとめ

  • 高齢者では摂りすぎと不足の両方に注意する
  • 「女性向け」などの表示より成分と必要量を見る
  • 種類よりも総摂取量と続けやすさを優先する考え方もある

今回はプロテインを愛用する医師3名がプロテインによる身体への影響や選び方を解説しました。「プロテインは腎臓に悪い」とは一概にはいえず、多くの健康な方には悪影響を及ぼしにくいとのこと。最後に座談会でわかったことをまとめておきます。

座談会まとめ

今回はプロテインを愛用する医師3名がプロテインによる身体への影響や選び方を解説しました。「プロテインは腎臓に悪い」とは一概にはいえず、多くの健康な方には悪影響を及ぼしにくいとのこと。最後に座談会でわかったことをまとめておきます。

  • 一律に良い・悪いとはいえない
  • 基礎疾患がある場合は個別に考える
  • 食事で不足する分を補う
  • 量と続けやすさも大切

このように、AIMEDでは読者の皆様から寄せられた質問を医師3名で紐解いています!日常生活のなかで気になったこと、病院で医師に聞きにくいことなど、なんでもお気軽にご質問ください!

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